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1991 年度 実績報告書

生体親和性自己温度制御発熱体を用いた癌温熱治療システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 02557046
研究機関京都大学

研究代表者

阿部 光幸  京都大学, 医学部, 教授 (00025587)

研究分担者 志田 善明  住友金属工業(株), 未来技術研究所, 部長
平岡 真寛  京都大学, 医学部, 助教授 (70173218)
小久保 正  京都大学, 化学研究所, 教授 (30027049)
山室 隆夫  京都大学, 医学部, 教授 (00088527)
キーワード温熱治療 / 癌治療 / インプラント / 生体親和性 / キュリ-点
研究概要

鉄-白金合金を用いたFerromagnetic Hyperthermiaを生体の加温に応用するため、実際的な強度と形状の鉄-白金合金を開発し、これを用いた場合の温度分布を実測した。
まず、他の発熱素材と比較検討した場合に鉄-白金合金では加温域の自己制御が可能であることを確認した。使用した金属は磁性体であり常に一定の発熱が予想される鉄、非磁性体のステンレス(SUS304)、磁性体ではないが生体親和性のあるチタンバナジウム合金(Ti-6wt%Al-4wt%V)、一定の温度(磁気変態点,キュリ-点=80℃)に達すると発熱効率が減少し有効な温度制御が予想される白金鉄合金の四者である。発熱針の大きさはいずれも1mm角x30mmで、材質を均一にして破損を防ぐと同時に先端の5mmを針状に鋭利に加工して刺入しやすくした。これらを寒天に刺入して均一磁場において加温を試み、その温度上昇を各発熱素材間で比較した。その結果、鉄を用いた加温では温度にかかわらず急俊な温度上昇が得られた。非磁性体(Stainless,Ti-V)では若干の温度上昇は得られたが発熱効率は不良であった。白金鉄合金の場合、低温では良好な発熱が得られ、しかも約48度を越えると発熱効率は非磁性体のそれとほぼ同等となった。以上より鉄-白金合金は有効な加温の実現と安全域内への温度制御の両者に対して有効であることが示された。
次に鉄-白金合金を1cm間隔で9本刺入して兎の筋を加温し、その温度分布を確認した。加温は40Oeの均一な磁場に於て12分間行なった。その結果、合金のすぐ近傍では50℃まで温度は上昇したが、針と針の間では、加温域全体で温度は43.5-47℃の範囲にあった。
以上の結果から、鉄-白金合金は生体の加温の実用に適し、また実現可能な配置によって、良好かつ均一な加温が得られることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 杉本 由仁: "ガン温熱治療用Fe-pt発熱体の開発" 住友金属. 43. 16-23 (1991)

  • [文献書誌] Hiraoka,M.: "Effects of tumor necrosis factor and hyperthermia on Meth-A tumors" Jpn.J.Cancer Res.82. 1171-1174 (1991)

  • [文献書誌] Hiraoka,M.: "Regional hyperthermia combined with radiotherapy in the treatment of lung cancers" Int.J.Radiot.Oncol.Biol.Phys.

  • [文献書誌] Ohura K.: "Ceramics in Substitutive and Reconstructive Surgery" Elsevier, (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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