研究概要 |
心血管系パラメ-タの変動の周波数解析を行うことにより、個々の周波数成分の増減が自律神経活動の指標になることが知られてきた。本研究では心血管系の変動の連続的周波数解析を行うことにより、自律神経活動の実時間モニタ-の開発、および自律神経活動を指標とした麻酔深度モニタ-の開発をおこなう。 昨年度検討した体動、不整脈等のノイズ除去アルゴリズムを本年度購入の高速処理可能なコンピュ-タ-(clock=33mHz)に組み込みノイズ対策をした、実時間処理可能なシステムを開発した。本装置関しては“Continuous,on line,real time spectral analysis of heart rate variation during anesthesia.Recent advance in computing anesthesia T.Oyama edk,Springer-Verlan,Tokyo"で詳細を発表した。麻酔深度との関連ではセボフルレン、イソフルレン、フェンタニル、の心拍変動に与える影響をヒトで種々の濃度で各周波数成分に対する影響を検討し、麻酔深度モニタ-としての有用性を明らかにした。成果は日本麻酔学会、雑誌等に発表予定となっている。自律神経活動との関連では開心術の心拍変動に与える影響を検討し術後1月経過しても自律神経活動の障害が継続することを第19回日本集中治療医学会出発表した。また、食道癌手術後の自律神経活動の変化を米国麻酔学会で報告をした。前投薬としてのミダゾラム、ヂアゼパム、クロニジンの心拍変動に対する影響をヒトで検討し、各前投薬の自律神経活動に及ぼす影響をInternational Anesthesia Research Society Annual Conference等で発表した。筋弛緩薬が心拍変動を減少させることを猫で明らかにし、筋弛緩薬の中枢神経系に抑制的に働く可能性を新な知見としてえた。さらに、脊髄損傷、全脊椎麻酔、意識障害、脳死での心拍変動を検討し報告をした。
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