研究概要 |
1.極細径腎盂内手術用内視鏡の開発:腎の区域動脈、尿管の周囲や血管の周囲を走る血管の損傷をなるべく少なくすることが、腎機能への影響を少なくし、かつ術中・術後の合併症を防ぐ意味で重要である。そこで、平均3.5mmの極細径腎盂内手術用内視鏡を試作した。タイプIとタイプIIの2種類があり、タイプIはレーザーや強力超音波のプローブを使用できるもの、タイプIIは高周波ループを用いるものである。2.尿管内手術用カテーテル型内視鏡の開発:尿管内では、特に狭窄の程度が強い場合には、上記の内視鏡では病変部へのアプローチそのものが制限される場合が少なくない。そこで、尿管狭窄部へのアプローチを容易とする目的で、9F(直径3mm)の多チャンネル型カテーテルを開発した。3チャンネルタイプと、4チャンネルタイプがある。3チャンネルタイプは、それぞれのチャンネルに、内視鏡用ファイバー、治療用レーザーファイバー、灌流液を通す構造とした。4チャンネルタイプは、さらに小さなバルーンを先端部に装着しており、カテーテルの尿管内でのスタビライザーの役目を果たしている。3.超音波振動による治療補助装置の開発:レーザー照射により破砕された瘢痕組織の早期除去を計るため、超音波振動による組織片除去装置を試作した。超音波振動の振幅は30〜90μmとした。正常粘膜への影響を少なくするため、超音波振動は、連続発振のみではなく、パルス波的発振(断続的矩形波)も可能とした。 4.経尿管式超音波診断装置の開発:尿管狭窄部の術前診断、術後の治療効果の判定を目的として、経尿管式超音波診断装置を開発した。プローブは、外径わずか6F(直径2mm)でフレキシブルな構造とした。発振周波数は20MHzで、距離分解能、方位分解能は、それぞれ1mm,2mm程度である。
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