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1991 年度 実績報告書

複合材料を用いた走査電子顕微鏡下の微細解剖の高能率化:先端器具の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 02557068
研究機関北海道大学

研究代表者

脇田 稔  北海道大学, 歯学部, 教授 (40018916)

研究分担者 土門 卓文  北海道大学, 歯学部, 助手 (50217618)
山本 恒之  北海道大学, 歯学部, 講師 (80200822)
キーワード走査電子顕微鏡 / マイクロコンピュレ-タ / 微細解剖 / 複合材料
研究概要

平成3年6月み、今年度分の補助金の交付を受け、直ちに実験を開始した。
はじめに、解剖針としての先端器具を、当講座で開発した炭素含侵タングステン線を用いて、これを電解研磨して作製した。同時に、東北大学金属材料研究所、東レ株式会社、日本カ-ボン株式会社研究所より炭素線維および炭化ケイ素線維の供給を受け、本研究の主題である複合材料による線材の作製に着手した。
これらの線維をまとめるための金属は、取扱い易さの点で、純銅、鉛錫、亜鉛、アルミニウム等の純金属を用いたが、溶融金属の潤れの点、硬化後の硬さ、強靭さ、電解研磨のし易さの点で、満足すべきものは得られなかった。そこで、合金を使うことを考え、上記の金属中でも物性に優れ、合金の母金属として頻繁に用いられている銅を生体とした合金を選択した。銅合金は多種多様にわたるが、そのうち機械的特性が良好といわれるベリリウム銅を用いた。ベリリウム銅は融点が900℃前後と扱い易く、加工後は弾性に富み、銅が主体であるので、導電性、エッチング性も申し分なかった。しかし、溶融時の線維に対する潤れの問題だけは、いかなる金属および合金を用いても解決できなかった。線維材料の表面加工が事前に必要であると考えられる。
上記のようにして、線維材料を細い束にして溶融金属の中に浸漬し、慎重に引き上げることにより、直径0.5mm前後の線材を作製した。この線材を折って、その断端を電解研磨すると、細い線維が露出し、鋭い針先が得られた。この針先の先端太さは使用した原線維の直径に依存し、ほぼ10μm前後であった。これは強拡大の解剖には使えないが、弱拡大のレベルでの解剖には、丈夫で使い易い先端器具として応用できることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 脇田 稔: "Structure and calcification of the enamel matrix of Paralichtys olivaceus." エナメル質比較発生学懇話会記録. 2. 13-16 (1991)

  • [文献書誌] 脇田 稔,土門 卓文: "SEMにおけるマイクロコンピュレ-タの応用(微小解剖法)" SCAN TECH '92. 1. 99-100 (1992)

  • [文献書誌] Takano,Y.,Hanawa,M.,Domon,T.,Fujinami,H.,Hanaizumi,Y,and Wakita,M.: "Time-related changes in the distribution of 45 Ca in the developing enamel of rat incisor as revealed by autoradiography." J.Biol.Buccale. 18. 135-147 (1990)

  • [文献書誌] Takano,Y.,Yamamoto,T.,Domon,T.and Wakita,M.: "Histological,ultrastructural,and electron micro probe analytical studies on the localization of calcium in rat incisor ameloblasts at early stage amelogenesis." Anat.Rec.25. 123-131 (1990)

  • [文献書誌] Yamamoto,T.and Wakita,M.: "The development and structure of principal fibers and cellular cementim in rat molars." J.Periodontal Res.26. 129-137 (1991)

  • [文献書誌] Domon,T.and Wakita,M.: "Electron microscopic and histochemical studies of the mononuclear osteoclast of the mouse." Am J.Anat.192. 35-44 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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