| 研究課題/領域番号 |
02557075
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| 研究機関 | 東京医科歯科大学 |
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研究代表者 |
中林 宣男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (30014020)
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| 研究分担者 |
藤村 弘 三井石油化学工業, 岩国高分子研究所, 所長
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (30126263)
石原 一彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (90193341)
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| キーワード | 歯科接着材 / 高分子電解質 / 反応性高分子 / ハイドロキシアパタイト / pースチレンスルホン酸 / 象牙質 / エナメル質 / 歯科用レジン |
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| 研究概要 |
現在、歯科治療において歯質に浸透性のあるモノマ-を歯面に塗布し、このモノマ-が歯質へ拡散、重合し歯質とレジンとを強固に接着させている。しかし、モノマ-使用における生体為害性など問題点が残されている。これらの問題点を改善するべくモノマ-を用いずにポリマ-による歯質との接着を考え、歯質構成成分であるハイドロキシアパタイトのCa^<2+>と反応するpースチレンスルホン酸(SSA)と歯科用レジンに親和性を有するメタクリル酸メチル(MMA)の共重合体(MS)を合成した。ランダム共重合体(rMS)および高分子の相分離を利用して選択的にSSAユニットを歯質側に配向させるためMSグラフト共重合体(gMS)をマクロモノマ-法により枝MMA連鎖長とMMA組成を制御して合成し歯質への接着性を検討した。rMSを用いた接着機構の検討により、以下のことが分かった。(1)MS水溶液中にCaCl_2を添加するとMSとCa^<2+>とが反応する。また、1個のCa^<2+>に対して4個のSO_3^-が相互作用し、キレ-トを形成する。(2)MS処理した表面のXPSによる分析、水に対する付着張力の測定よりMSがハイドロキシアパタイトと反応して表面に沈着し、MS層を形成する。(3)牛歯(エナメル質、象牙質)と歯科用レジンの接着試験より、MS処理した歯質へ歯科用レジンが接着する(8MPa)。さらに10wt%rMS水溶液では、(1)処理時間は60秒が適当である。(2)SSA組成が0.3以上であれば十分に歯質と反応する。(3)MMA組成が大きいほど高い接着強さを示す(MS層の表面にSSAの影響が少ないほどレジンの重合阻害が少なくなる)。さらにrMSで行なわれてきた研究を踏まえて、MSがその機能を十分発揮できるように高分子の相分離を利用して選択的にSSAユニットを歯質側に配向させるためgMSを合成した。gMSであると即重レジンの接着において問題となっていた処理面に残存するSSAの影響を減らすことができた。
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