研究課題/領域番号 |
02557076
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
浜田 泰三 広島大学, 歯学部, 教授 (50034244)
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研究分担者 |
村田 比呂司 広島大学, 歯学部, 助手 (40229993)
石田 浩 広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (20168230)
重頭 直文 広島大学, 歯学部, 助教授 (10136111)
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キーワード | 義歯裏装材 / 粘弾性 / 組織調整 / 動的印象 / 暫間裏装 / ゲル化時間 |
研究概要 |
軟質裏装材はその特有な粘弾性的性質により組織の調整のみならず、動的印象、暫間裏装など臨床に広く応用されている。本研究の目的は各使用目的に適する性質をもつ裏装材を開発することである。 本年度は動的印象として使用する際、その寸法精度および義歯床下に適用した場合の負担圧の変化について検討し、以下の結果を得た。 1.裏装材は経時的な寸法変化が認められた。その要因としてゲル化に伴う収縮と流動が関与していた。 2.粉末粒径が小さいほど、また溶液のエタノール含有量が多いほど裏装材の収縮は大きくなり、エタノール溶出量も多くなった。可塑剤溶出量は粉末粒径およびエタノール含有量の影響は認められなかった。 3.負担圧の経時的変化は歯槽頂部では小さかったが、歯肉頬移行部では条件により変化に幅があった。また負担圧は顎堤が高いほど歯槽頂部では大きく、歯肉頬移行部では小さくなった。 4.溶液のエタノール含有量が多いほど歯肉頬移行部における負担圧減少は顕著となり、その変化も早期から認められた。また粉末粒径が小さいほど歯肉頬移行部における負担圧減少は大きくなった。 5.エタノールを含まない溶液を使用した試料では、歯肉頬移行部における負担圧の経時的変化は認められなかった。また粉末粒径は負担圧変化に影響を及ぼさなかった。 以上の結果より、裏装材は経時的にゲル化に伴う収縮が認められた。その収縮はエタノールの溶出が関係しており、粉末粒径および溶液のエタノール含有量が大きな影響を及ぼしていた。その結果、裏装材を動的印象材として使用する場合、その組成によっては経時的に義歯床辺縁部での適合性に影響を及ぼすことが示唆された。
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