研究概要 |
<試験研究(2)、課題番号62870080>___ーに継いで本試験研究では、フッ化インジウム溶液のう蝕予防材料としての応用を検討している。 本年度では、スクリ-ニングテストの一環として前年度以来検討してきた、ラットによる実験う蝕から、既に試作開発したう蝕予防材料と対照材料、および、正常食餌とう蝕促進性食餌との比較から、う蝕病巣の進行程度あるいは発生状況を検討し、試作う蝕予防材料のう蝕抑制効果について検討しているが、本報ではその一部について報告する。 1)実験動物と飼料:一群10頭のSlcーSD雄ラットを生後22日目で離乳し、飼料には日本クレア社の、正常食餌(基礎飼育固形飼料)または、う蝕促進性食餌(Shaw,J.H.diet #2700をベ-スにsucroseを50〜60%配合したcariogenic diet)を離乳直後から供した。 2)試験材料:a)コントロ-ル群(蒸留水)、本試験研究で試作したb)練込タイプ(フッ化インジウム粉末F^-300ppm相当量pH4.4)、とc)溶解タイプ(フッ化インジウム溶液F^-300ppm相当量pH1.5)、および市販されているd)フッ化第一スズ(0.4%、F^-970ppm)、とe)フッ化ナトリウム溶液(2w/v%)、の5種を試験材料に供した。 3)実験期間と処理方法:離乳後から6週齢まで飼育し、その間毎日各試験材料を3mmφの綿球で歯面塗布を行い、実験期間は2週、4週、6週齢とした。各期間を終了した実験動物は、エ-テル麻酔後断頭して、煮沸後軟組織を除去し、顎を整形して水洗し乾燥後ポリエステル樹脂に包埋した。重合後、臼歯の歯幅中央部まで近遠心的矢状方向に研磨を行い、上・下顎の臼歯第二裂溝部を中心にKo^^¨nigらのA,T,B,C,方式を数値化して検討したところ、次のような評価が得られた。総ての試験材料において、2週齢は4週、6週齢よりう蝕発現が少なく、4・6週齢ではフッ化インジウム練込タイプにう蝕発現の少ない傾向が認められた。
|