研究課題/領域番号 |
02557077
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
橋本 弘一 明海大学, 歯学部, 教授 (00049347)
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研究分担者 |
森岡 茂夫 佐藤製薬株式会社, 研究部, 部長
日比野 靖 明海大学, 歯学部, 助手 (20238322)
山賀 谷一郎 明海大学, 歯学部, 助手 (90049403)
長山 克也 明海大学, 歯学部, 講師 (40105630)
新井 浩一 明海大学, 歯学部, 助教授 (90049396)
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キーワード | フッ化インジウム / う蝕予防 / う蝕抑制 / 動物実験 / ラット / SIc-SD |
研究概要 |
科学研究費一般(A)課題番号58420047および、試験研究(2)課題番号62870080におけるin-vitro実験に基づいた基礎的研究に対して、本試験研究(B)課題番号02557077では、さらに動物実験に基づいたう蝕抑制効果について検討を行ない以下の結果を得た。 1) 初年度は、動物実験による各種フッ化物のう蝕抑制効果の検討を行う上で、う蝕の進行程度あるいは発生状況の判定基準に正確を期すべき試験片の処理方法とう蝕度判定の方法について再検討を行った。 う蝕度判定は14名の歯科医師により、上・下顎第一臼歯第二裂溝の基底部を中心として、konigらの算定方式を数値化して検討したところ、歯幅中央部まで近遠心的矢状方向に研磨を行った結果からは明確な差異が判定されず、一方、反対側から約200μmの薄切片による評価の、特に透過光観察の結果では偏差も少なく安定した結果が得られた。 2) 先の報告に基づき、これまでに開発したう蝕予防用局所塗布剤のペーストタイプ、溶液タイプおよび、その対照材料のう蝕抑制効果を二重盲検法によって比較検討を行ったところ、ペーストタイプの群ではフッ化インジウム粉末を配合した試作材料に高いう蝕抑制効果が、また溶液タイプでは有意差は認められないもののフッ化インジウム溶液を塗布した場合にう蝕抑制率が高い傾向であることが確認された。 3) EPMAによるう蝕病巣部の詳細な検討の結果、2)でう蝕抑制効果が期待されたフッ化インジウム粉末を配合したペーストタイプの場合、その作用機序として、エナメルに塗布された水に可溶なキサンタンガムがエナメル質表面を保護し、配合されたフッ化インジウム粉末の抗菌作用との相乗効果によってう蝕抑制効果をもたらすことが示唆され、各試作剤を含む実験群中、フッ化インジウム粉末を配合したペーストタイプは最もう蝕抑制効果が期待された。
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