研究課題/領域番号 |
02557080
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部・第2口腔外科, 教授 (50064788)
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研究分担者 |
高橋 久英 藤田学園保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (80084606)
杉本 修一 愛知学院大学, 歯学部・第2口腔外科
夏目 長門 愛知学院大学, 歯学部・第2口腔外科, 講師 (90183532)
服部 孝範 愛知学院大学, 歯学部・第2口腔外科, 助教授 (70064813)
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キーワード | 口唇裂 / 口蓋裂 / 疾患モデルマウス / コンジェニックマウス / 貧血マウス / A / Jマウス / CL / Frマウス / W^ν / マウス |
研究概要 |
当教室では口唇・口蓋裂の治療およびその原因、発生機構の解明をメインテ-マとして研究を行っており、これまで長年にわたり臨床領域でヒトの口唇・口蓋裂の疫学的調査を行い、そのデ-タの蓄積からその発生要因として母体の貧血状態との関連に注目している。また、口唇・口蓋の実験的研究のため自然発生口唇・口蓋裂モデル動物であるA/Jマウス、CL/Frマウスをその必要な形質を保持した状態で近交系として維持・繁殖を行っており、これらを用いた動物実験により口唇・口蓋裂の原因、発生機構の解明のための多くの知見を得ている。我々は5年前よりA/Jマウス、CL/Frマウスへのマウス貧血遺伝子W^νの導入を行い、口唇・口蓋裂と貧血のコンジェニックストレインの作成を試みてきた。この導入過程においては貧血と口唇・口蓋裂の興味深い観察結果が得られた。しかしながら、この系での実験は感染事故により中断されその発生機構を解明できるまでには至らなかった。そこで新たに平成2年度後半より、これまでの導入系とは別に近交系として維持・繁殖を行ってきたA/JとCL/Frを用い、再びW^ν貧血遺伝子の導入を開始し現在順調に繁殖している。この新たな系では、前回のような大量死を防ぐ目的で実験者および飼育機材の消毒を励行し、A/J、CL/Fr、A/J-W^ν、CL/Fr-W^νの各系統の個体数を充分に確保し、世代ごとに個体カ-ド、系統図、繁殖台帳の3ポイントチェックによりその導入の過程を明白にし、RBC、WBC、Hb、Ht等の血液検査と着床数、生存胎仔数、吸収胚数、死亡胎仔数、口唇・口蓋裂発生胎仔数を調べることにより貧血と口唇・口蓋裂発生の関係を追求している。今後もこれらの導入過程で得られるデ-タを蓄積して、それらをもとに最終的に育成されるコンジェニックストレインを用いて実験を行えば口唇・口蓋裂発生機構としてに貧血の影響を解明できると考える。
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