研究課題/領域番号 |
02557087
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加茂 直樹 北海道大学, 薬学部, 教授 (10001976)
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研究分担者 |
海部 勝昌 沖電気基盤技術研究所, 研究主任
陸川 克二 ニコン光機設計部, 次長
小泉 洋子 北海道大学, 医学部付属病院, 講師 (60113552)
松本 健司 北海道大学, 薬学部, 助手 (80183953)
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キーワード | 膜電位依存性蛍光色素 / 紫外線照射 / 脂溶性イオン / 遊離肝細胞 / 同種棚原感作 |
研究概要 |
1.血球細胞への紫外線照射の効果:近年、血小板製剤に含まれる免疫担当細胞(リンパ球、単球)を不活性化して同種抗原感作を抑制する手段として、血小板製剤パックに紫外線を照射する試みが行なわれている。臨床的には有効であるが、その機構は不明である。本装置が多重励起であることを利用して、紫外線を血球細胞に照射しつつ細胞内Ca濃度(蛍光色素Fura2-AMで測定)や膜電位の変化(Dio-C_6(3)を使用)を測定した。単球や白血球への紫外線照射により、照射線量依存的に細胞内Ca濃度の増加が見られた。細胞外液をCa-freeとすると、細胞内Ca濃度の増加は見られなかったので、Caは細胞内の小胞に由来すると考えられる。リンパ球の膜電位は紫外線照射によって増加する(内部が負)。十分線量が大きいところでは膜電位の飽和が見られるが、ここでは膜電位はKの平衝電位になっていた。即ち、紫外線照射によってKイオン以外の透過性が減少すると推察された。一方、白血球の膜電位は低紫外線照射量では増加するが、高線量では膜電位が消失した。多分、膜に損傷を受けるためであると思われる。 2.真核細胞の膜電位測定:膜電位測定ブローブが陽イオン性脂溶性イオンであると、真核細笹胞ではミトコンドアにブローブが濃縮されるため、細胞膜(形質膜)の膜電位は求められない。ミトコンドリアの膜電位は測定中変化しないとの仮定の本に、脂溶性イオンの細胞内分布を理論的に考察し、膜電位の理論的に正しい補正法を考案した。この方法をつかって遊離肝細胞の膜電位を測定し、微小電極で直接測定した値と比較した。両者はよい一到を示した。 3.陰イオン性膜電位依存性蛍光色素、メロシアニン540による遊離肝細胞の膜電位測定:上述の理由により陰イオン性膜電位依存性蛍光色素を用いて、本装置により、遊離肝細胞の膜電位を測定しようとしたが、成功しなかった。将来の問題として、遊離肝細胞と色素との相互作用を研究する必要がある。
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