研究課題/領域番号 |
02557087
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加茂 直樹 北海道大学, 薬学部, 教授 (10001976)
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研究分担者 |
海部 勝昌 沖電気, 基盤技術研究所, 研究主任
陸川 克二 株式会社ニコン, 光機設計部, 次長
小泉 洋子 北海道大学, 医学部・付属病院, 講師 (60113552)
松本 健司 北海道大学, 薬学部, 助手 (80183953)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 膜電位依存性蛍光色素 / 紫外線照射 / デヒドロローダミン / 活性酸素 / 脂溶性イオン / 遊離肝細胞 / 同種抗原感作 |
研究概要 |
1.蛍光顕微鏡の試作:コンピュータ制御で、蛍光顕微鏡の励起を2波長交互にできる装置を作成した。速やかに溶液を交換できる測定チャンバーを開発した。円形スライドグラスとテフロン0-リングを用いている。ミリポアフィルター上で培養した細胞を本チャンバーに入れて、外液を変えつつ、蛍光顕微鏡観察が出来るようになった。 2.活性酸素の生成の高感度蛍光法の開発と蛍光顕微鏡による細胞レベルでの活性酸素発生:dihydrorhodamine123は非蛍光性であるが、ペルオキダーゼの共存下過酸化水素によって酸化されると、蛍光性のrhodamine123(R123)に変化する。R123は細胞の内部負の膜電位によって細胞内に濃縮されるので、蛍光顕微鏡観察には適している。本装置を用いて、皮膚細胞に対する紫外線照射による活性酸素発生の作用スペクトルを求めた。 3.血球細胞への紫外線照射の効果:近年、血小板製剤に含まれる免疫担当細胞(リンパ球、単球)を不活性化して同種抗原感作を抑制する手段として、血小板製剤パックに紫外線を照射する試みが行なわれている。臨床的には有効であるが、その機構は不明である。本装置が多重励起であることを利用して、紫外線を血球細胞に照射しつつ細胞内Ca濃度や膜電位の変化を測定した。 4.真核細胞の膜電位測定:膜電位測定プローブが陽イオン性脂溶性イオンであると、真核細胞ではミトコンドアにプローブが濃縮されるために、細胞膜(形質膜)の膜電位は求められない。補正法が発表されているがそれは間違いである。本研究により、理論的に正しい補正法を考案し、実験で確認した。 5.陰イオン性膜電位依存性蛍光色素、メロシアニン540による遊離肝細胞の膜電位測定:上述の理由により陰イオン性膜電位依存性蛍光色素を用いて、本装置により、遊離肝細胞の膜電位を測定しようとしたが、成功しなかった。将来の問題として、遊離肝細胞と色素との相互作用を研究する必要がある。
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