1。窒素レ-ザ-(宇翔、HeーN2 4M)は337.1nmのパルス光を16mJ/pulseで出力する筈であったが、納入予定の装置では12mJの出力しか得られず、宇翔では2台目を製作することになり、工場において15mJ/pulseの出力を出すにいたった。現時点では納入を完了し、検査段階に入っている。 2。その間、低出力の窒素レ-ザ-装置を用いて色素レ-ザ-の発振を試験し、440nmー590nmの波長範囲で各種色素での発振を確認した。3。高速スキャン分光器に関しては200nm/1msの速度でスペクトルデ-タの取り込みを可能にするために、イメジセンサ-駆動用のプリント基盤を新たに設計、製作した。この速度で512本のスペクトルを連続的に記録することが、原理的に可能となった。現在、log変換などのデ-タ処理、スペクトルのCRT display、デ-タファイルの作成などのソフトを製作中である. 4。ナノ秒からのシグナル変化の記録に関しては、光電子倍増管制御用の回路を製作し、デジタルオッシロスコ-プへのデ-タの取り込み、コンピュ-タへのデ-タ転送などが可能になった。 5。以上の試作装置を用いて、ミオグロビンの一酸化炭素複合体の光解離、再結合過程の記録に成功した。特に窒素レ-ザ-励起色素レ-ザ-の導入により、反復測定・積算が極めて容易になり、デ-タの質が飛躍的に上昇することの確証を得た。 6。測光装置の制御、デ-タの取り込みに加えて、デ-タ加工のためのソフトが必須であるが、後者を同時に開発することは、多大のエネルギ-を必要とするので、処理ソフトについては既成のソフトを極力利用することとし、その連携のための方式を確立することにした。
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