研究課題/領域番号 |
02557105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永井 良三 東京大学, 医学部(病), 講師 (60207975)
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研究分担者 |
黒尾 誠 東京大学, 医学部(病), 医員
中原 賢一 東京大学, 医学部(病), 医員
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キーワード | 結核菌 / 非定型抗酸菌 / PCR / dnaj遺伝子 / オリゴヌクレオチドプローブ / ドットハイブリダイゼイション |
研究概要 |
我々は抗酸菌dnaj遺伝子を属特異的に広く認識するPCRプライマーを既に開発、報告した。今回、検討に用いた19種抗酸菌dnaj遺伝子の全てにつき、同一領域の塩基配列196bpを決定し、その塩基配列を比較することにより各菌種dnaj遺伝子を特異的に認識するオリゴヌクレオチドプローブを開発した。塩基配列を決定した抗酸菌はM.tuberculosis、M.bovis、M.bovisBCG、M.africanum、M.microti、M.marinum、M.kansasii、M.gastri、M.simiae、M.scrofulaceum、M.szulgai、M.gordonac、M.avium、M.intracellulare、M.xenopi、M.fortuitum、M.chelonei、M.hemophilum、M.paratuberculosisの19種で、その一致率は100%から69%の間に分布し、種特異的な塩基配列を選択しやすかった。まず、臨床上重要であるM.tuberculosis、M.avium、M.intracellulare、M.kansasiiの4種につき特異的なオリゴヌクレオチドプローブを選択した。ドットハイブリダイゼイションにより、抗酸菌標準株19種より増幅したDNA断片に対する4種プローブの特異性が確認された。さらに、培養法で同定されたM.tuberculosis、M.avium、M.intracellulareの培養分離株それぞれ5例についても、オリゴヌクレオチドプローブにより判定結果は同じであった。M.kansasiiでは臨床分離株5例のうち4例は一致したが1例はプローブと反応しなかった。臨床材料からの直接検出では、M.tuberculosisとM.avium dnaj遺伝子が同定され、これらオリゴヌクレオチドプローブの有用性が証明された。
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