光カードを用いる医療用データ・フォーマットは椎名晋一が研究代表者として昭和63年度から平成2年度まで研究が行なわれていた総合研究(A)「医療用光カードのフォーマット統一に関する研究」で平成2年度に規準案が作成され、公開された。 それに遡って本規準案の原案、ならびにそれに準拠したプログラムを東京医科歯科大学で作成し、試験的に患者情報を書き、かつ読むことが可能であることは平成2年2月に開催された第9回医療情報学連合大会において報告した。 次いで、規準案にもとづき、ソフト会社の協力をえてプログラムを作成した。このプログラムは平成3年3月までにほぼ完成した。 平成3年4月から外来患者のデータの入出力実験を行ない、平成4年11月まで逐次改良を重ねたが、その実験成績は満足すべきものであった。 平成4年12月から東京医科歯科大学保健管理センター、大阪府立母子保健総合医療センター、島根医科大学、銀座内科センター診療所、近畿大学、阪南中央病院、昭和大学、大野記念病院、神奈川内科医会、宮沢医院の10施設で健診、人間ドック、診療などでの試用実験の協力をえている。 これらの実験からユーザーとしての観点からの意見をソフトに反映したいと考えている。コンピュータハードの進歩、MSウインドウの普及などが今後見込まれるが、それらを考慮して画面構成、ユーザーインターフェースなど改良すべき点がある。今後も、汎用ソフトに仕立てあげる努力を行いたい。
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