ELISPOT法による特異抗体産生細胞の検出を自動化することを試みた。まず、抗体産生細胞が形成したSPOTの色調・実面積・円形度等の特徴を抽出し、その条件を画像解析システムに入力して計数したSPOTの数と、実際に顕微鏡でみて計数したSPOTの数がよく相関するように画像解析システムの条件を設定した。このとき、ポイントとなったのが、(1)画像解析システムに接続する顕微鏡の選択と(2)測定毎に異なる発色度の差をなくす標準化の方法であった。(1)に関しては、当初使用する予定であった実体顕微鏡では顕微鏡の光軸と画像解析システムに入力する光軸の間にわずかではあるがズレが生じた。そのため、画像解析システムの画像に一部焦点のあわない部分が生じ、正確な解析が不可能であった。そこで、種々の顕微鏡を試みた結果、金属顕微鏡を用い、50倍の倍率で観察した際に最も鮮明な像が得られ、正確な解析が可能となった。(2)の測定間の発色度の差による影響をなくす標準化の方法は、種々の方法を試みた結果、リンパ球を培養した後に、酵素標識抗体を加えず基質のみを添加したwell底面の色をコントロ-ルとし、このコントロ-ルの色の発色度を被験well底面の発色度からsubtractionすることにより達成できた。コントロ-ルの色の発色度は測定毎に若干異なるが同一測定内では異なる個人のリンパ球を用いてもほとんど差がなく、一様であった。従って、測定毎に一個人のリンパ球を用いてコントロ-ルを作製しておけばよいことが明らかになった。現在、金属顕微鏡に設置できるようにwell scqnnerを改良し、それにあったプログラムの作製を行っている段階である。また、サイトカイン産生細胞の検出にも応用できるかどうかをみるため、ILー2産生細胞検出用ELISPOT法の開発を行っている。
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