ELISPOT法で特異抗体産生細胞が形成した個々のSPOTの特徴(面積と濃度)の総和が、RIA法で測定した培養上清中の特育抗体産生量とよく相関するように、画像解析システムの条件を設定し、この測定システムを用いることにより、抗体産生細胞数と抗体産生量を同時に測定できるようにすることを再度試みた。しかし、特異抗体産生量が少なくRIA法では十分検出できず相関をとることができなかった。また、IL2やIFNγ産生細胞検出用ELISPOT法では、SPOTが淡いため画像解析システムで計数するのが因難であった。一方、この画像解析システムによるSPOT計数は、各種免疫グロブリンクラスのサイログロブリン抗体や甲状腺ペルオキシダーゼ抗体産生細胞検出用ELISPOT法に応用可能であり、IgGクラスは自己免疫性甲状腺疾患患者でのみ検出されたが、IgMクラスの甲状腺自己抗体産生細胞は健常人にも十分存在することが判明した。またK鎖や入鎖をもつ甲状腺自己抗体の産生細胞の検出にも応用できた。さらに、cell sorterを用いてCD5^+B細胞とCD5^-B細胞に分離して甲状腺自己抗体産生細胞を検出することにも応用可能であった。従って、画像解析システムを用いたSPOT計数は、目視法に比べて客観的であるが感度が悪くなるため、ELISPOT法で形成されたSPOTが淡い場合には応用が因難であること、しかしSPOTの形成が明瞭な特異抗体産生細胞の検出には種々の応用が可能であることが判明した。そして、サイトカイン産生細胞検出用ELISPOT法へ応用するためには、SPOTの明瞭化が重要な課題として残された。
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