• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

M-CSFによる粥状動脈硬化症治療の試み

研究課題

研究課題/領域番号 02557110
研究機関東京大学

研究代表者

山田 信博  東京大学, 医学部(病), 助手 (40200729)

研究分担者 渡辺 嘉郎  順天堂大学, 医学部, 医員
原田 賢治  東京大学, 医学部(病), 医員
後藤田 貴也  東京大学, 医学部(病), 医員
島野 仁  東京大学, 医学部(病), 医員
キーワードM-CSF / 動脈硬化 / WHHLウサギ
研究概要

動脈硬化巣においては,種々の細胞が存在するが,なかでも単球由来マクロファ-ジと平滑筋細胞は主要な役割を果していると考えられている。私共はこのマクロファ-ジを直接的に活性化する特異的な物質であるmacrophage celeny-stimulating factor(M-CSF)に注目して研究を行っている。前年度はM-CSFの血漿コレステロ-ル値に対する作用や,invitroにおけるマクロファ-ジの脂質代謝に対するM-CSFの役割について報告した。invitroでは血漿コレステロ-ル値を低下させ,invitroでは,変性LDLの取込みを増加させると共に,泡沐化した細胞よりのコレステロ-ルの排泄に積極的に関与することを見出した。これらの結果はM-CSFの作用により,動脈液化症の進展や退縮が大きく影響をうける可能性のあることを示している。そこで動脈硬化症の進展に対して,M-CSFがどのような作用を示すのかを明らかにする目的で,WHHLウサギに一日300mgのM-CSFを8.5ヶ月間の長期間投与で行った。ところでWHHLウサギはLDLレセプタ-の欠損する動物であり,著明な高コレステロ-ル血症を呈し,3ヶ月余より動脈硬化症が形成され始めることが示されており,現在知られている最も価値のある動脈硬化症のモデル動物と考えられている。M-CSFをWHHLウサギの2.5ヶ月令から投与し始めて,11ヶ月令において,その動脈硬化病変について生食を静洋したWHHLウサギと比較した。M-CSF群では病変面積で1/3,コレステロ-ルの蓄積で1/7とコントロ-ル群よりも病変は軽度であった。以上よりM-CSFによりマクロファ-ジが活性化されることは,生体の防御反応の一部として動脈硬化症の進展が抑制されることが明らかとなった。これは,今後の動脈硬化症治療において新しい方向を示すものと考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山田 信博 他: "Apolipoprotein E prevents the progression of athero sclerosis in WHHL rabbits." J,Clin.lnvest.(1992)

  • [文献書誌] 稲田 寿守,山田 信博 他: "Expression of M-CSF receptor encoded by c-fms on smooth muscle cells derived from arterio sclesotic lesion" J.Biol.Chem.(1992)

  • [文献書誌] 後藤田 貴也,山田 信博 他: "Occurence of Multiple Aberrantly-spliced mRNAs upon a donor splice sito mutation that causes familial lipoprotein lipase deficiency." J.Biol.Chem.266. 24757-24762 (1991)

  • [文献書誌] 島野 仁,山田 信博 他: "Overexpression of apolipoprotein E in transgenic mice;Amarked reduction in plorma lipoproteins except high density lipoprotein" Proc.Natl.Acad.Sci USA. (1992)

  • [文献書誌] 後藤田 貴也,山田 信博 他: "Differential phenotypic expression by three separate mutant alleles in familial lecitlein cholesterol acyltransferase(LCAT)deficieney" Lancet. 338. 778-781 (1991)

  • [文献書誌] 後藤田 貴也,山田 信博 他: "Heterogenous mutations in the human lipoprotein lipuse gene in patients with familial lipoprotein lipase" J.Clin.lnvest.88. 1856-1864 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi