研究課題/領域番号 |
02557110
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 信博 東京大学, 医学部(病), 助手 (40200729)
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研究分担者 |
渡辺 嘉郎 順天堂大学, 医学部(病), 医員
原田 賢治 東京大学, 医学部(病), 医員
後藤田 貴也 東京大学, 医学部(病), 医員
島野 仁 東京大学, 医学部(病), 医員
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | M-CSF / 動脈硬化 / サイトカイン / マクロファージ / 平滑筋細胞 |
研究概要 |
粥状動脈硬化症の進展過程には、種々の細胞成分が関与する。血管内皮細胞、単球由来マクロファージ、平滑筋細胞、リンパ球などである。これらの細胞群は、種々のサイトカインを分泌すると同時に、その作用もうけて血管壁の恒常性を保つ機能を有している。macrcphage clong-stimulating factar(M-CSF)は、血管壁の構成細胞の全てより分泌されてアクロファージに作用することによって、その機能を発現していると考えられる。昨年度、動脈硬化巣より分離した平滑筋細胞にM-CSF受容体が発現してくることを見出したが、本年度はさらにこの発現が動脈硬化発症のよいマーカーとなりうることに着目して、その発現因子の検討を行った。PDGFは障害反応説の中心的役割を担っていることからも推察されるが、動脈硬化の発症と極めて関係が深いと考えられている。このPD-GFにより、正常平滑筋細胞においてもM-CSFの受容体発現が誘導される。おそらく、動脈硬化症が発症して、PDGFがさかんに合成分泌されると、平滑筋細胞の形質転換を促して動脈壁の機能を調節しているのであろう。すでに、M-CSFの投与により動脈硬化症の初期病変の形成が抑制されることを報告した。今回は高令のWHHLウサギ、すなわち進行した動脈硬化症を有する動物へM-CSFを投与して、その効果を検討した。12ヶ月のWHHLウサギにリコンビナントM-CSF3corigを10ヶ月投与した。投与群では、動脈硬化病変はコントロール群とと比較して少ない傾向であったが、有意な改善をみとめなかった。M-CSFの効果は進行病変よりも、初期病変に顕著であると考えられた。M-CSFを過剰発現するトランスジェニックマウスに関しては、未だ十分な発現を有するマウスを得ていない。今後さらに開発の努力をつづける予定である。
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