研究課題/領域番号 |
02558002
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
尾田 年充 広島大学, 工学部, 教授 (60034550)
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研究分担者 |
斧 高一 三菱電機株式会社, 中央研究所, 主幹
佐藤 国憲 核融合科学研究所, 助手 (70126861)
川崎 謙 岡山大学, 教育学部, 助教授 (00116451)
多幾山 憲 広島大学, 工学部, 助教授 (40112180)
藤田 俊昭 広島大学, 工学部, 助教授 (90034420)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | トカマクプラズマ / 電子サイクロトロン加熱 / プラズマ診断 / 電場分布計測 / レ-ザ-誘起蛍光法 / 粒子ビ-ムプロ-ブ法 / シュタルク効果 |
研究概要 |
種々の放電プラズマ中の電場の空間分布を測定するための新しい診断システムを開発した。また、核融合ブラズマをも対象とした。 1.まず、この測定原理に関して理論的な検討を加え、数値計算を行なった。プラズマ中の水素原子を対象とする場合、Hα線の微細構造のうちで禁制遷移3P_<1/2>ー2P_<3/2>と許容遷移3P_<1/2>ー2S_<1/2>との強度比を、シュタルク効果をもとに、電場強度の関数として計算した。その結果、50V/cmの弱電場でこの比がすでに0.5になることを見出した。ヘリウム原子の場合では、二つの禁制遷移2^1Sー3,4^1Dの遷移確率を同じく電場強度の関数として励起用色素レ-ザ-の出力をパラメ-タとし、計算した。一方、この電場には無関係な四重極遷移確率も計算した。その結果、これら両遷移に伴う誘起蛍光の強度比から電場強度の絶対値が、感度較正をしなくても、求められることが示された。 2.試作した診断システムは、主として、原子を励起するためのYAGレ-ザ-励起色素レ-ザ-装置、空間分布測定のための光学系を含む分光計測装置、およびデ-タ処理系で構成される。これらの装置を制御し、得られた分光デ-タを処理するコンピュ-タプログラムを作成し、実験に利用した。 3.この診断システムにより、ホロ-カソ-ド放電プラズマの陰極暗部の電場分布を実際に測定できることを示した。 4.核融合プラズマに対しては、ヘリウム中性ビ-ムプロ-ブを用いて複雑ではあるが、類似した診断システムを開発した。 5.今後、偏光の測定も行えば、さらに弱電場の精密な測定が可能になるものと期持される。これまでにも、偏光度の理論的考察を行い、数値計算を行うための新しい知見を得ている。
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