研究課題/領域番号 |
02558005
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
仁木 登 徳島大学, 工学部, 助教授 (80116847)
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研究分担者 |
佐藤 均 東芝, 医用機器技術研究所, 主務
隈崎 達夫 日本医科大学, 助教授 (10089675)
宇山 親雄 国立循環器病センター研究所, 部長 (30026059)
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キーワード | X線回転撮影装置 / 脳血管 / 3次元再構成法 / 投影画像歪の補正 / 撮影装置の幾何系の測定法 / AD変換器のビット長 / レ-ザ-リソグラフィ / 脳血管実物モデルの作成 |
研究概要 |
人間の死亡原因に脳や心臓の血管障害が大きいことや最近社会問題となっている突然死が血管情報で予防できることが報告されている。このためには微妙な血管障害を早期発見して早期治療することである。本研究ではこれらの臨床医の要求を満足する高度な画像診断機器の開発を目標にしている。この特徴はX線撮影法を回転撮影方式にして多方向の血管投影画像を高速撮影すること、これらの投影像から血管3次元網を高精度再構成すること、臨床医が診断や手術において必要な要求仕様を満たす血管網の3次元表示および3次元形状・位置情報を柔軟に検索できる対話システムを開発することである。当年度は次のことを明らかにした。 1.実用機のX線回転撮影装置で実血管投影画像を測定して3次元再構成実験を実行した。本研究の目標である高分解能血管網を3次元再構成することを検証した。この中で、投影画像歪の補正法、回転撮影装置の幾何系の測定法および3次元再構成法が画質に及ぼす影響を評価した。 2.回転撮影装置が理想円軌道でないために撮影装置の幾何系の正確な推定法の開発が必要となった。この推定手法を研究して高精度に回転軌道を推定し、この回転軌道に基づく高精度な3次元再構成アルゴリズムを開発して高精度な画像再構成を実行した。 3.回転撮影装置のAD変換器のビット長が再構成画像に大きな影響を与える。特に、低ビット長であると再構成画像に雑音成分が混入して画像劣化の大きな原因となる。計算機シミュレ-ションにより、AD変換器には12ビット程度が必要であることがわかった。 4.脳血管網の3次元情報の把握が3次元表示では不十分であり、臨床医から血管網の実物モデルの作成が求められた。再構成画像から血管像を抽出し、レ-ザ-リソグラフィを用いて実物モデルを作成し、実3次元世界で視察や計測して高度な診断を可能にした。
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