研究課題
本研究は、文書・文献の全文を収容する「全文デ-タベ-ス」について、それら文献の論理的構造に即した検索を可能とするようなシステムを研究・開発しようとするものである。この際、全文デ-タの論理構造を記述する方式として、国際標準であるSGMLを採用し、この規格に則って記されている電子原稿をそのまま全文デ-タベ-スとして受け入れて、これに有効な検索を施すことを目的とする。研究計画の初年度にあたり、本年度には、下記の項目について、研究および開発を行った。1.全文デ-タベ-スに対する検索要求の詳細分析と、全文デ-タベ-ス向き検索・出力要求の表記形式DQL(Document Query Language)の詳細設計。学術論文の全文デ-タベ-スに対して、研究者の立場からみて必要な検索要求の詳細な分析を進め、検索・出力要求を形式的に表記するための言語DQLを設計した。これは、関係形式デ-タベ-スのための標準的操作言語であるSQL拡張して、文書の構造的特徴を採り入れた検索・表示要求を記述しうるようにしたものである。2.全文検索用ユ-ザ・インタ-フェ-スの詳細設計および開発環境の整備。検索利用者のためには、DQLを直接用いるのではなく、直観的に分かりやすい形で検索要求を指定できることが望まれる。そこで端末画面上に文献の論理構造を図解的に表示し、この図の適当な部分に対して、検索すべきキ-ワ-ドやその組合せ条件等を付与するような指定方式を設計した。検索結果の表示についても同様の方式での設計を行った。なお、この種操作に適するワ-クステ-ションを導入し、上記の端末側ソフトウエアのための開発環境を整備した。3.ホスト側通信制御部ソフトウエアの開発。ホスト側開発環境整備の一環として、これを行った。
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