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1991 年度 実績報告書

実験小動物受精卵の保存と輸送に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02558008
研究機関北海道大学

研究代表者

笠井 憲雪  北海道大学, 医学部, 助教授 (60001947)

研究分担者 山下 匡  北海道大学, 獣医学部, 助手 (30220338)
三好 一郎  北海道大学, 医学部, 助手 (10183972)
平林 真澄  雪印乳業, 生物科学研究所, 研究員
葛西 孫三郎  高知大学, 農学部, 助教授 (60152617)
キーワードマウス / ラット / 受精卵輸送 / 受精卵凍結保存 / 低温保存技術 / ガラス化法 / 微生物学的レベル / 運送業者
研究概要

本年度は低温輸送法の確立のためにマウスの受精卵を用いて、0℃に保存したものを一般運送業者の宅配便等で輸送し、その成否を培養や偽妊娠雌に移植し判定した。この方法で輸送した受精卵はその内の約15%が最終的に産仔となり、実用化が可能と判断された。
また受精卵の簡便凍結法であるガラス化法についてマウスとラットの受精卵について開発し、輸送に応用した。まずマウス受精卵のガラス化法についてはエチレングリコ-ル、フィコ-ル、蔗糖をPBIの緩衝液に溶かしたEFS溶液に受精卵を入れ、精子保存用のプラスチックストロ-に移し、一気に液体窒素に投入し凍結する、研究分担者の葛西が開発した方法を用い、保存した。そして運搬用液体窒素容器を用い、これらの受精卵を輸送し、同様に輸送卵の成否を判定した。この容器は液体窒素をスポンジ状の吸収材に吸収させ固相としており、輸送中の液体窒素の漏れを防いでいる。上記のガラス化法にて凍結した受精卵をこの輸送容器にて高知大学(高知県南国市)から北海道大学(札幌市)に宅配便により輸送した。まず培養による成績は89.5%の生存が確認され、さらに移植し得られた産仔の割合は45.8%であった。これらの成績はこの方法が十分に実用に応用できることを示している。
一方ラット受精卵のガラス化法についてはについてはRallらの2段階ガラス化法の改良法を開発した。またラット受精卵の輸送については従来のプログラムフリ-ザ-を用いた凍結受精卵(疾患モデル系統のLEC、SHR)を上記の輸送容器にて雪印乳業生物科学研究所(栃木県)から北海道大学(札幌市)に輸送し、移植した。産仔生誕成績は 15〜49%であり、十分実用化できることがわかった。さらにこの輸送では微生物レベルが異なる施設間(コンベンショナル→SPF)で行ったが、このような条件でも問題がないことが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kasai,M.: "A simple method for mouse embryo cryopreservation in a low toxicity vitrification solution, without appreciable loss of viability." J.Reprod.Fert.89. 91-97 (1990)

  • [文献書誌] Miyoshi,I.: "Useful short-range transport of mouse embryos by means of a nonfreezing techique." Lab.Anim.Sci.,. (1991)

  • [文献書誌] Kasai,M.: "High survival of rabbit morulae after vitrification in an ethylene glycol-based solution by a simple method." Biology of Reproduction.(1992)

  • [文献書誌] Miyoshi,I.: "Effect of environmental factors on the yield of mouse embryos superovulated by hormone-induction." Lab.Anim.,. (1992)

  • [文献書誌] Kasai,M.: "Survival of mouse morulae vitrified in an ethylene glycol-based solution after exposure to the solution at various temperatures." J.Reprod.Fert.(1992)

  • [文献書誌] Miyoshi,I.: "A practical transport system for mouse embryos cryopreserved by simple vitrification." Lab.Anim.Sci.,. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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