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1990 年度 実績報告書

造血幹細胞へ高頻度に遺伝子を導入する方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 02558010
研究機関京都大学

研究代表者

桂 義元  京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (90027095)

研究分担者 勅使河原 計介  京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (50217402)
藤本 真慈  京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (60199370)
キーワード遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 幹細胞 / レトロウイルスベクタ- / エイズ
研究概要

遺伝子治療の1つの対象としてAIDSを含む血液疾患が考えられる.そのために造血幹細胞へ遺伝子を効率よく導入し,その疾病による異常を補ってやることが必要である.重要な点は,(1)造血幹細胞にin vitroで効率よく遺伝子を導入し,(2)できればその幹細胞をin vitroで維持できること.(3)目的によっては造血幹細胞に組み込まれた遺伝子が適切な細胞に発現することである.(1)に関しては,われわれはまずNeo耐性遺伝子を持つレトロベクタ-WBをPA317細胞へ導入し,レトロウイルスとしてマウス骨髄細胞に感染させることを試みた.また骨髄での造血幹細胞の頻度は極めて低いので,(2)の目的で骨髄細胞をストロ-マ細胞PA6上で培養し幹細胞を維持すると同時に,トランスウエルを用いて培養上層でPA317を培養しレトロウイルスを骨髄細胞に感染させた.この方法の利点は,細髄細胞をPA317と共培養する時にPA317細胞へX線照射を行う必要がないので,高いウイルス産生能が維持されると考えられることである.また,PA6と共培養することによって感染期間中も幹細胞が維持されるだろうと予想される.このようにして得た細髄細胞を800R照射したマウスに移入し,27日目に骨髄および脾臓よりDNAを調整した.Neo耐性遺伝子のプライマ-を合成し上記DNAに対しPCR法を行ったところ,骨髄および脾臓いずれからもNeo耐性遺伝子を検出することができた.すなわち,基本的な骨髄幹細胞への遺伝子導入法は確立できたと思われる.
(3)に関してはレトロウイルスベクタ-に種々のプロモ-タ-を組み込み,目的とする遺伝子が発現されるかどうかを検討しなければならない.そのために造血細胞すべて,あるいはリンパ球にのみ働くプロモ-タ-等をベクタ-に組み込む努力を行っている.最後に今後の問題点として,感染効率をさらに上げるためにPA317以外のパッケ-ジング細胞を用いることを検討しており,またベクタ-自体の改良も試みている.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kina,T.: "Identification of a 107KDa glycoprotein that mediates adhesion between stromal cells and hematolymphoid cells." J.Exp.Med.173. 373-381 (1991)

  • [文献書誌] Mazda,O.: "Requirement of dendritic cells and B cells in the clonal deletion of Mlsーreactive T cells in the thymus." J.Exp.Med.173. 539-547 (1991)

  • [文献書誌] Gyotoku,J.: "Inhibition of human immunodeficiency virus replication in a human T cell line by antisense RNA expressed in the cell." Virus Genes,.

  • [文献書誌] Iwai,K.: "Qualitative difference of antiーDNA antibodyーproducing cell precursors in the preimmune B cell repertoire between normal and lupusーprone mice." Clinical Exp.Med.,.

  • [文献書誌] 桂 義元: "免疫トレランス概説「生体における意義と成立ち」" 臨床免疫. 22. 947-951 (1990)

  • [文献書誌] 桂 義元: "胸腺ストロ-マ細胞株上でのT細胞分化" 代謝,増刊号(免疫'90). 27. 187-195 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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