研究分担者 |
赤木 玲子 岡山県立短期大学, 食物科, 助教授 (50150967)
KLOKING H.P. 独国, 国立医科研究所, 教授
中島 伸佳 岡山県立短期大学, 食物科, 講師 (10198070)
浜田 博喜 岡山理科大学, 理・基礎理学, 助教授 (10164914)
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研究概要 |
須見は純化したNKの生体内での作用機序解明のため,静注投与後の分子形態の変化を免疫学的及び酵素学的手法で検討した。その結果,血中で分子量約2.5万のNKが容易に血漿蛋白との複合体を形成し約4.5万の分子に変化すること,それが血中でより安定且つ阻害物質の影響を受けにくく,血中線溶亢進に働き易いことを証明した。 浜田,中島らは既に我々によって確立されたClot lysis法による市販納豆中のNK力価検定を高純度NKを標準品として行い,3,000-24,000単位/100gと標品間で大きなバラツキのあることを確認した。また,実験室とパイロットプラントのレベルで,同じ菌株でも活性に大きな差が認められ,発酵条件がNK産生に重要であることを明らかにした。 赤木,須見らは等電点電気泳動法を用いて各種納豆中のNKを検定した結果,納豆中にはNKとしてpl8.7以外に少なくとも5種類の異なる分子フォームの存在することを明らかにした。 須見,赤木らは納豆中に我々が発見した線溶賦活物質であるpoly-Gluを含むNKカプセルを調製し,ラットに3ケ月という比較的長期間の経口投与実験を行った結果,ELTの短縮及びpyro-Glu-Gly-Arg-pNAアミノダーゼ分解活性の上昇という血中線溶亢進を確認したが,APTT,ReCa ^<++>-Tの短縮といった凝固系の変化は認めなかった。 須見らは宮崎医大,倫理委員会の許可のもとに19人のvolunteerに純化したNKの腸溶カプセル投与実験を行い,血漿ユーグロビン溶解活性の亢進を確認した。しかし,TPA抗原量あるいはPAI活性等の変化はなく,さらに腸溶カプセル調製の検討が必要であることも判った。 Klocking,須見らは川崎医大循環器内科の協力のもとに高齢の心房細動患者でのNK投与実験を開始し,現在その臨床データーを解析中である。
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