研究分担者 |
金森 審子 東京大学, 理学部, 日本学術振興会特別研
山形 達也 三菱化成生命科学研究所, 細胞認識研究部, 部長
工藤 重治 群馬大学, 医学部, 講師 (70008267)
井上 貞子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (00053827)
北島 健 東京大学, 理学部, 助手 (80192558)
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研究概要 |
1986年に我々は新しい単糖残基デアミノノイラミン酸(KDN)の存在を見出した。以後、1992年に至るまでKDNにまつわる研究成果が国内外から報告された。本試験研究では、今後多くの生物種に見出される可能性があるKDN含有複合糖質の微量検出プローブの開発等を目指した研究を行った。その結果平成4年度に得られた実績について概要を述べる。 (1)KDNの化学的微量検出法:-オリゴ・ポリKDN構造を^3H-標識後HPLCぶ分離、検出・同定するシステムとセチルピリジニウム塩形成よる選択的沈殿法を用いた微量精製法を開発した[Analyt.Biochem.(1992)202,25-34;Analyt.Biochem.(1992)205,244-250]。 (2)極微量KDN糖鎖検出用抗-KDN単クローン抗体:-我々が報告した[J.Biol.Chem.(1991)266,21929]KDN-ガングリオシド(KDN)GM3を抗原としKDNα2→3Galβ1→エピトープ構造に特異的なクローン抗体(IgG)の産生に成功し、mAb.kdn3Gと命名した[詳細はGlycobiology(1993)vol.3,印刷中]。また、KDN含量が>50重量%で、その殆どがα2→8-結合オリゴ・ポリKDN構造をしている糖タンパク質KDN-gpを抗原として使用し、(→8KDNα2→)_n配列に特異的な単クローン抗体を調製し、mAb.kdn8kdnと命名した[未発表]。 (3)KDN-ガングリオシド、(KDN)GD1aの発見:-mAb.kdn3Gを利用し、ニジマス雌体腔液中に数種類の抗体陽性成分を見出した。その内の主要な2種の分子を単離精製し、(KDN)GD1aおよび(AcKDN)GD1aと決定した[詳細はJ.Biol.Chemに投稿中]。 (4)CMP-KDN合成酵素の同定・部分精製・諸性質:-種々のKDN-転移酵素の検索・同定に不可欠な^<14>C-標識CMP-KDNドナー基質の合成反応を触媒するCMP-KDN合成酵素活性をニジマス精巣に見出し、部分精製ならびに酵素の諸性質を調ベた。本酵素はCMP-KDN合成活性が極めて高く、例えば仔牛脳由来のCMP-NeuAc合成酵素では極低収率であったCMP-KDNの合成が容易になり、今後のKDN-転移酵素の検索・研究に光明を与えた[J.Biol.Chem.(1993)268,印刷中]。
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