すでに単離されていたアフリカツメガエル・BMPー2の染色体DNAをプロ-ブとして、ツメガエル未受精卵のcDNAライブラリ-より3種のBMP関連遺伝子をクロ-ン化した。それぞれXbr22、Xbr23、Xbr41と名付けられたcDNAクロ-ンは全塩基配列の決定後、ホモロジ-検索によりBMPー2、BMPー4、BMPー7と高い相同性を示すことがわかった。それらはそれぞれ398、401、426アミノ酸の前駆体からなり、いずれもカルボキシル末端側にBMP様講造をもつ。これらBMPタンパク質をコ-ドする遺伝子から実際にタンパク質を得るために、1)pCDMベクタ-に組み込みCOS(アフリカミドリザル腎臓由来)細胞にて発現させる、2)大腸菌由来タンパク質lacZ、あるいはファ-ジ由来T7の遺伝子の下流に単離したcDNAを連結し、それらの融合タンパク質として大腸菌に産生させる、3)CHO(チャイニ-ズハムスタ-卵巣)細胞にcDNAと導入し大量培養によってタンパク質を発現させる、これら3種の発現系を用いた。COS細胞を用いた系では培養上清のウサギの助骨・軟骨細胞に対する作用を調べたところいずれも軟骨細胞のプロテオグリカンの生合成を促進することがわかった。融合タンパク質は電気泳動にて精製後、ウサギへ免疫するための抗原として用いた。抗血清は現在のところすべて融合タンパク質のBMP部分を特異的に認識するものが得られており、その中のひとつはツメガエル初期胚中の天然型BMPー4を認識する。CHO細胞の発現系においては、PSD(X)とPCD(X)の2種のベクタ-を用いBMP遺伝子を導入した。PSD(X)を用いたものはBMPー4を・PCD(X)を用いたものはBMPー7を効率よく発現する形質転換体が得られた。現在、これらの細胞の大量培養によって培養上清からBMPタンパク質を純化することを試みている。
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