研究概要 |
1.平成2年度の研究目的 (1).遅延線ブロックの作製とそれを組込んだ位置検出型中性子計数管の作製 (2).波形信号処理解析装置を用いての(1)の計数管の性能テスト 2.研究目的に対応した成果 (1).低拡陽極線の一端に耐高電圧コンデンサ-を接続し,更に遅延線を接続して接地する方式の位置検出型 ^3He中性子計数管を作製した。 (2)コンデンサ-のみを接続したX線用の計数管を作製して、陽極線からのパルス信号の速い立上り成分のみを波形整形時定数0.1μsの高連アンプで位置信号を,時定数10μsの遅いアンプで全電荷信号を得る方法で、位置分解6.0mm(相対分解能1.1×10^<-2>)を得たが,中性子計数管において遅延線を接続し,波形信号処理解析装置を用いて,連い成分と遅い成分の2成分に分解する方法により,位置分解能(4.0mm(相対値7.3×10^<-3>)を得た。しかし位置分解能の位置依存性がみられた。コンデンサ-の容量や遅延時刻の選択により性能の一層の向上が期待できる。 また,計数管から得られる波形の全てを解析する方法をこれから適用して行くことにより,位置分解能の位置依存性をなくすることができると思われる。 3.今後の研究 2.の(2)において述べたように,コンデンサ-,遅延ブロック,陽極抵抗線のそれぞれの値の最適値を選んだ実験,全波形処理の方法の適用を行い,位置分解能の向上,処理時間の短縮等,性能の向上を計る。 4.設備備品の使用状況 波形信号処理解析装置の購入後,計数管からの信号波形処理に十分役立てており平成3年度には一層活用する。
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