研究課題/領域番号 |
02558028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤坂 一之 京都大学, 理学部, 助教授 (50025368)
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研究分担者 |
今成 司 日本電子株式会社, NMG応用研究室, 室長
中谷 博 京都大学, 農学部, 助手 (00026577)
内藤 晶 京都大学, 理学部, 助手 (80172245)
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キーワード | 温度ジャンプ / 相転移 / マイクロ波 / 二次元NMR / タンパク質 / 液晶 / タンパク質の熱変性 |
研究概要 |
これまでのCW型マグネトロン(IMGー2502ーS)に代り、パルス型マグネトロン(IMGー2502ーP)を新たに購入した。また、NMR検出器のラジオ波コイル及びマイクロ波コイルの形状に改良を加えることにより温度ジャンプの高速化を計った。 この結果、タンパク質RNaseAを含む重水水溶液試料に対し、最高で平均10℃/0.1秒の高速温度ジャンプを実現した。この装置を用いて、タンパク質において自然状態一変性状態間での状態相関2次元NMRスペクトルの観測に初めて成功した。この結果、変性状態でのRNaseAのプロトンNMR信号の帰属が可能となった。これにより、RNaseAは、変性状態にあっても完全なランダムコイル構造はとらず、ある種の高次構造をもつことが示唆された。 また、液晶試料に対してはマイクロ波回路のチュ-ニングをとるなどの工夫を重ねた結果、ネマティック相一等方相間の転移を最高0.01秒で達成できるようになり、飛躍的な高速化が達成された。これにより、液晶相一等方相間で状態現関2次元NMRスペクトルの観測成功した。また、ラジオ波パルスとマイクロ波パルスとの間隔を変化して測定することにより、液晶相内でのスピン拡散過程を検出できることがわかったが、これは液晶状態の構造解析に有効な手段のひとつとなる。
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