研究課題/領域番号 |
02558028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤坂 一之 京都大学, 理学部, 助教授 (50025368)
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研究分担者 |
今成 司 日本電子株式会社, NMG応用研究室, 室長
中谷 博 京都大学, 農学部, 助手 (00026577)
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キーワード | NMR / 温度ジャンプ / タンパク質構造転移 / タンパク質変性 / リボヌクレア-ゼA / マイクロ波加熱 |
研究概要 |
1.RNaseAの重水溶液について、温度ジャンプの前後での状態相関二次元NMRの実験を継続し、天然構造一変性構造間で分離のよい状態相関二次元スペクトルを得た。これによって、変化性状態にあるRNaseAのいくつかのNMR信号を特定のプロトンに帰属することに初めて成功した。 2.Streptomyces subtilisin inhibitorについて、光吸収、CDおよびNMRを用いて構造転移の条件を調べ、天然構造、熱変性構造および低温変性構造のおのおのが安定に存在する温度領域を確定した。 3.温度ジャンプNMR実験における温度指標として、水(HDO)の信号を内部温度基準として確立した。すなわち、イオン農度、タンパク質濃度、pH等を変えて温度に対するHDOの化学シフトを正確に測定し、これに基づく温度指標を作成した。 4.上で作成した温度指標を利用して、様々な溶液の条件下で温度ジャンプの効率を吟味した。この結果、ジャンプ効率はイオン濃度に著しく依存し、タンパク質濃度にはさほど依存しないことが判明した。 5.マイクロ波照射用コイルをNMR信号検出用のラジオ波コイルの内側に設置したプロ-ブを作成した。これによってスペクトル分解能は向上し、温度分布の均一性が良くなった。今後このプロ-ブについて、信号検出感度と温度ジャンプ効率の向上をはかる。
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