研究課題/領域番号 |
02558029
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅田 宏 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (20029953)
|
研究分担者 |
西沢 誠治 日本分光株式会社, IRシステム課, 課長
京極 好正 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (90012632)
|
キーワード | 赤外円偏光二色性 / 振動円偏光二色性 / 円偏光二色性 / フ-リェ分光 / IRCD / VCD / CD |
研究概要 |
昨年度試作したフ-リエ分光法による赤外円偏光二色性(FT-IRCD)測定装置の光学系ならびに電気系の改良・調整により、次のような仕様をもつFT-IRCD測定装置が完成した。 測定波数領域:2,000-900cm^<-1> 最小検知感度:ΔA=10^<-6>OD 最高分解能:1cm^<-1> ポリプチド鎖の局所的なコンホメ-ションの研究に振動円偏光二色性(VCD)法を応用するために、オリゴペプチドのVCDを測定し、コンホメ-ションとVCDの関係について検討した。モデル化合物として、N-acetyl-L-alanine-N'-methylamide(Ac-L-Ala-MA)、N-pivaloyl-L-alanine-N'-methylamide(Piv-L-Ala-MA)、Ac-L-Val-MA、Ac-L-Leu-MA、Ac-L-Phe-MA、Ac-L-Pro-MA、Piv-L-Pro-MAを合成し、四塩化炭素、重水素化クロロホルム、ジメチルスルホキシドの有機溶媒中でのIRCDを測定した。 AmideA吸収帯のVCDは、N-H基の水素結合の状態に非常に敏感であることがわかった。濃厚溶液中で分子間水素結合を形成している状態では、これら全てのペプチドにおいて会合状態に特有の高波数側から(-+)のVCDカップレット構造が観測された。Ac-L-Ala-MA、Ac-L-Val-MA、Ac-L-Leu-MA、Ac-L-Phe-MAは希薄溶液中で5員環の分子内水素結合を形成したC_5構造をとり、3400cm^<-1>付近に高波数側から(+-)のVCDを示す。Ac-L-Pro-MA、Piv-L-Pro-MAは希薄溶液中で、7員環の分子内水素結合を形成したC_7構造をとり、3320-3330cm^<-1>に正のVCDバンドを示すことがわかった。
|