研究概要 |
活動性は個人と環境の関係を知るための有効な行動的指標のひとつである。教育場面における子供の評価に“活発な"とか“おとなしい"といった評価に関わる用語が使われることからも,教育環境と子供の関係を理解する際にもこの活動性の概念は有効な指標として取りあつかうことに問題はなかろう。 また,活動性は,体動や身体の空間的移動として客観的に観察可能な現象である。従来このような活動性は,評定法,行動観察法,および何らかの機械的測定法によって測られてきた。我々の眼目は客観性の高い機械的測定法にある。特に情緒障害児の多動,寡動現象を数量的に捉えようとする各種装置の開発が目に付く。 我々の今回の研究は,学校を中心とし教室の内外で活動する子供の自然な活動性を測定する器具の開発にある。今年度は,子供の活動性を時系列デ-タとして測定収集するシステムを開発した。これは比較的入手しやすい安価な素材を用いており,子供にも常時携行できるように小型軽量化を図った。 本システムは以下のような要素から構成されている。 (1)歩数計測用ボ-ド (2)デ-タ転送用ボ-ド (3)開発用ボ-ド (4)ホストコンピュ-タ(パ-ソナルコンピュ-タ) ここで歩数計測用ボ-ドは電子万歩形の振り子方式歩数センサのon,off情報を処理してその結果をコントロ-ラ内のメモリに格納していく機能を有している。その他については解説を略す。
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