ヒンドゥイズムにおける救済理論の儀礼から暝想への転換に焦点をあてて、『バガヴァッド・ギ-タ-』に対するシャンカラ註解の中におけるミ-マ-ンサ-儀礼主義批判を中心に、「ミ-マ-ンサ-儀礼主義からシャンカラの暝想主義への転換という形で、儀礼から暝想への転換の救済理論上の意義を明らかにした。そしてその際シャンカラがそれまでの儀礼による救済への道を一方では暝想による救済への道の立場から批判しながらも、他方では儀礼による心の浄化を通して暝想による救済への道へという基本的な枠組の中で『バガヴァッド・ギ-タ-』を解釈していったことを明確にした。 この点に関しては、ウィ-ンで開催された国際サンスクリット学会で“Historical Change of Salvation Theories Found in Five Commentaries on the Bhagavadgita^^ー"という形で口頭発表を行い、その成果を『印度学仏教学研究』に“‘San^^`kara's Interpretation of the Bhagavadgita^^ー"として掲載した。またさらに詳しくは、「シャンカラのギ-タ-解釈」として『成田山仏教研究所紀要記念号』に掲載予定である。 『バガヴァッド・ギ-タ-』第二章に対するシャンカラ、ラ-マ-マジャ、マドヴァ、ヴァッラバ、アドゥス-ダナ・サラスヴァティ-の註釈の和訳研究に関しては、「『バガヴァッド・ギ-タ-』註解和訳(第二章の一)(第二章の二)(第二章の三)」という形で、それぞれ『愛知学院大学文学部紀要』19号、『人間文化』5号、『愛知学院大学文学部紀要』20号に掲載した。
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