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1990 年度 実績報告書

古代ギリシアのエ-トスとCorpus Hippocraticum

研究課題

研究課題/領域番号 02610020
研究機関山梨大学

研究代表者

免取 慎一郎  山梨大学, 教育学部, 教授 (20020373)

キーワードヒポクラテス集成 / ヘロドトス / トゥキュディデス / アスクレピオス信仰 / ギリシア悲劇 / ソクラテス以前 / 大衆道徳 / ミアズマ
研究概要

近年古代研究に関する新しい潮流があらわれている。それはいわばかつての懐疑主義の1980年代版とでもいうべきもので、古典のテクストに関する分析,比較が微細化し,時としては「木を見て森を見ない」不毛な先行学説への批判の再現となる傾向なしとはしない。しかし紀元前5世紀のアテテイを中心とした思想世界をめぐる資料を読みすすめて行くうちに,病の流行,それに対する人々の対応,とりわけ対人感染や免疫についての解釈などの問題をとりあげるためには,文化人類学ー言教社会学的視点から立ち入った考察が必要であると考えるようになった。とりわけヒポクラテス医学とは異質の世界とされていた,アスリレピオス神(医療神)信仰の問題と,宗教的・法的・道徳的な汚染(ミアズマ)の問題が,当面の主要な関心事となった。前者は,古代末期に,キリスト教とならんで,ヨ-ロッパの宗教世界の覇を争そった神であり,その神域は数多く,また人々が参篭する聖地となった。そのうちエピダウロスの神域からは前世紀末に多くの砕片が発見され,その研究は今は新たな関心をよんでいる。後者に関しては,近年科学史の立場からのまとまった研究書が出たが,倫理思想の問題としては,まだ目ぼしい成果はあらわれていない。
1990年8月「長野市民教養講座」で『古代ギリシアの選者』という題目での講演を依頼されたのを機会に,これまでの私の『ヒポリクラテス集成』の研究の暫定的な総括を試み,それをひとつの素材として,今後の研究の展望をひらく目的で記したのが,「山梨大学教育学部研究報告」(41号)に掲載した『トゥキュディデスとヒポクラテスーその5』であり,不完全ながら近年の研究史と,bibliographyを含んでいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 免取 慎一郎: "トゥキュディデスとヒポクラテスーその5" 山梨大学教育学部研究報告. 41. 44-53 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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