研究課題/領域番号 |
02610022
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
上参郷 祐康 東京芸術大学, 音楽学部, 教授 (20169618)
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研究分担者 |
野川 美穂子 東京芸術大学, 音楽学部, 助手 (50218294)
大貫 紀子 東京芸術大学, 音楽学部, 助手 (70015254)
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キーワード | 国風音楽会 / 当道行事 / 箏曲・地歌の教習制度 / 名古屋箏曲・地歌のレパ-トリ- / 名古屋胡弓 |
研究概要 |
1.国風音楽会の年中行事の調査及び記録ー荻野忌、吉沢忌、生田忌などの調査記録を行った。 2.国風音楽会の教習制度の調査及び記録ー盲人男子(戦前)、盲人男子(戦後)、晴眼者女子(戦後)の箏曲、三弦、胡弓、平曲習得について以下の点を、聞き取り調査した。すなわち、どのような曲をどのような順で教わるか、教習上の曲の進度と弟子の側の資格取得(免状、許し等)とがどのように対応しているか、秘曲の内容とその伝承上の位置付けはどのようになされているか、盲人音楽家の資格である検校、勾当、司業といったものの実態は何か、といった点である。 3.国風音楽会の伝承レパ-トリ-の調査及び記録ー会員たちの伝承するレパ-トリ-のなかには名古屋以外には伝わらない当道平曲が残っているうえ、箏曲、胡弓曲などにも独自のものがあり、極めて貴重である。単なる曲目の調査だけでなく、どのような機会に演奏されるか、また例えば秘曲演奏の時は金の箏柱を用いるといったように演奏に際して何らかの約束があるかといった付帯状況についても聞き取り調査をおこなった。 4.上記1から3項の調査結果の歴史的・社会的背景を考察し、近世の音楽史の重要な部分を担ってきた盲人音楽の実態を立体的に解明するために、江戸時代の様々な当道資料や音楽資料、明治時代以降の名古屋の音楽資料や国風音楽会関係の資料を収集しつつある。 5.江戸時代から明治時代にかけて、名古屋で出版された歌本類を調査し、上記3項との関わりを検討しつつある。
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