平成2年度は、(1)動植物についての実体験の状態把握(2)認識形成に及ぼす効果を検討するための方法論の確立を中心に検討をすすめていった。現在までの所、以下のような進行状況である。 まず、(1)については、「動植物についての実体験の実態」を調査する質問紙を作成した。調査項目は、小動物の飼育経験の有無、接触の有無と程度、小動物についての知識(大きさ、形、柔らかさなど)、小動物への情緒反応(怖い、かわいい、飼いたいなど)等である。この質問紙を200名の幼児とその母親に実施し、調査項目の有効性、その実態等について、分析し、検討した。さらに、調査対象を広げていく予定である。 (2)動物飼育体験とTV視聴が認識形成に及ぼす効果の差異については、次年度重点的に研究をおこなっていくが、その前段階として本年度では、その研究の方法論を確立した。具体的には、小動物に関する知識(実物大の模型からの大・中・小の大きさの選択)、小動物に対する情緒反応(小動物の好き・中位・嫌いの風船の大きさによる選択など)、行動様式(歩き方・餌の食べ方・走り方等のジェスチャ-)、他の小動物の飼育欲求等について、実際に幼児等に調査を行い、いろいろな観点から方法論の検討をおこなっていった。その結果、本研究のために新たに開発された方法論の妥当性が示唆された。 また、動物飼育についてのビデオ番組作成のため、実際にうさぎ、にわとり等の小動物を飼っている園に行き、その様子をビデオカメラで撮影した。現在、購入したビデオ編集機を用いて、これらのビデオテ-プを編集し、それらの小動物についてのビデオ番組を作成中である。
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