1.本研究の目的は、言語習得プロセスの実験的研究手法として、ミニチュア人工言語を用い、その習得プロセスを詳細に調べることにより、言語の一般的習得プロセスの解明を試みることである。 2.平成元年度までの研究により、音声認識の誤りが言語習得に悪影響を及ぼすことが確認されている。しかし、実験装置の精度からくる制約のため、対照とするべき音声認識が100%正確に行なわれる場合についての実験は行なわれてこなかった。そこで、100%正確な音声認識がなされた場合のミニチュア人工言語習得プロセスを調べることが目標とされていた。 3.平成2年度は、現存の音声認識装置でも100%近い音声認識率が得られるようにミニチュア人工言語の音韻体系を改変し、実験手法を改良したが、現在の装置ではやはり完全な音声認識は無理なことが判った。そこで、装置の改良に固執せず、柔軟な実験方法の見直しが必要であるとの判断に至った。具体的には、コンピュ-タプログラムの改変、音声入力機器の改良によらず、音声認識装置の代わりに実験補助者を介在させることによって、当面、必要とされるレベル音声認識率を確保することにした。 4.平成3年度は、上記スタイルによる実験を行い、デ-タの収集を行ったが、従来の研究で得られた知見以上の新しい発展は得られなかった。 5.平成2・3年度の研究成果を成果報告書としてまとめ、小冊子とした。 6.平成3年度までのミニチュア人工言語研究の成果を取りまとめ公刊した。
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