研究概要 |
本研究は、ファジィIPM分析(Yabuuchi 1987,1988;藪内 1987,1988,1989)の導入によって、リ-ダ-とフォロワ-相互の複雑に交絡した社会的認知のパ-スペクティブの多様なレベルにおける相互対応比較を体系的に把握することをはかり、その分析を通して集団・組織におけるリ-ダ-シップ機能をリ-ダ-とフォロワ-の二者関係に相互作用の観点から詳細に検討することを目的とするものである。 平成2年度における主な研究実績の概要は以下の通り。 1.ファジィ理論による社会的認知諸理論の統合化:リ-ダ-シップをフォロワ-の各々の間に形成される複雑な相互依存性の脈絡のなかで把握するため、その基底をなす対人関係一般における社会的認知のパ-スペクティブやそれらの相互対応関係に関わる社会的認知の均衡概念と、Laingらによって展開されたIPMの構造とを統合化するためのファジィ論的展開をおこなった。その成果の概要は日本グル-プ・ダイナミックス学会('90)において発表した。 2.対人関係における基本的構成軸の分析:リ-ダ-シップ関係をはじめとする対人関係における社会的認知の基底構造を多次元尺度解析、クラスタ分析により明らかにした。同時に、対人関係の基本をなす概念の包摂関係を明確にするため、各種ファジィ構造解析の手法を導入して分析を試みた。
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