研究概要 |
本年度は,研究開始の年度であり,ライフコ-ス研究の先行研究で跡づける作業とともに,調査を一部開始しながら,次年度以降の調査にむけての準備作業を行なった。 ライフコ-ス研究そのものに関しては,社会学・教育社会学・社会教育学で論及している文献資料を探索し,それらの特徴を抽出する作業を行なった。その結果,今回試みようとしている職員の専門性形成についての研究においては,既存の考え方の枠組みを,多少改良していく必要性が認められた。 また,社会教育・生涯学習関係職員,特に社会教育主事の専門性に関するこれまでの先行研究を検討し,専門性の内実についての論者の類型化を試み,主として倫理性・態度・構えを強調する論者,学習要求の組織者としての側面を強調する論者,技術や知識を強調する論者,個別学問の内容が中核であることを強調する論者,などの区分がなされた。これは,専門性の内実の調査に利用する類型の基礎になる。 社会教育主事講習受講者の追跡調査に関しては,主たる調査地岡山との連絡を密にとり,受講生名簿の整理を進めた上で,社会教育関連の職務経験についての生体的把握を行なった。その結果,大多数の受講者の動静がつかめ,また,意外に多くの受講者が社会教育関連の職務についていることが判明した。本調査の調査項目については,現在作業進行中であるが,上記先行研究のとりまとめや,先行する関連調査についても資料収集を進めて概要を構成してきた。これまでの先行調査が,かなり表面的であったことも確認している。調査対象者とは,すでに連絡をとり,趣旨説明も行なっており,次年度以降への準備は整ってきた。
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