研究概要 |
1.イギリスでは各種の試験団体が設定するコ-スや試験の種類とレベルが複雑になり、資格やコ-ス間の系統性も不明確になり、資格の種類や難易度も職業分野によって偏りが出てきたため、あらゆる職業分野を包括的に包含し、職業資格全体を構造化し、様々なコ-スで習得した職業能力(competence)を単位化し、その単位をクレジットのように積み上げて職業資格を構成する方策がとられるようになった。 2.全国職業資格協議会(NCVQ)が全国的規模での職業資格の整理再編成と系統化、資格取得の促進をめざして、ユニット・クレジット制による職業資格構造化の枠組みを導入した。 3.その枠組みは、ロンドン市同業組合協会(CGLI)、王立工芸協会(RSA)、ビジネス・テクニシャン教育協議会(BTEC)等の主要な職業資格団体や認定機関の持っている枠組みを活用し、これらを中心に構造化され、レベル1から4までの4段階構成にまとめられつつある。 4.従来、中級レベルの職業資格取得コ-スは中等学校の外でのみ、テクニカル・カレッジ等の継続教育機関に開設されていたが、14ー18才のTVEIコ-ス、16ー17才のCPVEコ-ス等の導入により、中等学校内でも職業教育の要素が強化され、これらと共に16才時のGCSE試験、18才時のGCE試験、更にはBTECの資格レベルとの対応や接続関係が検討、調整されつつある。 5.近い将来、全国職業資格協議会の開発した様式に従って、すべての職業人が経歴や能力に関する情報ファイル(将来はディスク)を所有する社会がめざされており、全産業の経営者、従業員および就職志望の学生・生徒それぞれに対する職業資格,コ-ス,情報ファイルについての広報活動がなされている。 6 EC市場統合も、職業資格構造の再編成に大きな影響を与えている。
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