1.留学生に関する内外の文献の検討から、日本における留学生問題について理論的研究を深めた。 2.ユネスコ統計資料(“Statistical Yearbook")などの、留学生に関連するマクロデ-タの入力をおこないその数量的分析を実施した。 3.留学生と日本人の双方を対象とする質問紙調査を設計・実施した。調査対象者は、(1)日本留学を終えて帰国した「帰国中国人留学生」(訪問学者を含む)(平成2年8月〜9月実施:返信用封筒および切手を同封して中国へ郵送)、(2)現在、日本に留学中の「在日中国人留学生」(訪問学者を含む)(平成2年12月実施)、(3)「チュ-タ-」(平成2年12月実施)、(4)ある留学生寮に居住中の「在日留学生」(平成3年2月実施)、等である。質問紙調査については、今年度は調査デ-タの収集を大きな課題としており、現在は各調査の分析をすすめている段階である。なお、各調査における自由回答形式の質問に対しては、長文の意見を記述する回答者が少なくなく、これに対する整理・分析もおこなっている。 4.留学生の「進路選択」に関する議論は、重要な研究課題でありながら従来少なかった。本研究では、中国人留学生の進路選択に関して、上記3の帰国および在日中国人留学生を対象とする調査デ-タの分析をおこない、進路としての母国と日本の位置等について研究を深めた。
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