研究課題/領域番号 |
02610112
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
菅岡 強司 上越教育大学, 学校教育研究センター, 講師 (80206391)
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研究分担者 |
平山 満義 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20110637)
中野 靖夫 上越教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (60042686)
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キーワード | プログラミング教育 / プログラミング言語 / アルゴリズム |
研究概要 |
まず、コンピュ-タ・プログラミングの過程を解明することを目的として被験者(熟達者・初心者)に与えるための問題群を2種類(次の(1)(2))作成した。(1)一つは、数列の漸化式に関する問題ーー具体的には「ハノイの塔」というパズルーーとそれに至るまでの問題群である。このパズルを選んだのは、わかりやすくすっきりした形で解こうとすれば、配列、再帰的手続きといったプログラミングにおいて特徴的なアルゴリズムが必要になるからである。(2)もう一つは、2次元空間R^2上の一次変換(線型変換)に関する問題とそれに至るまでの問題群である。一次変換の問題を選んだ主要な理由は、必要な基本的アルゴリズムがグラフィックスに関する繰返しの手続きだけであること、プログラミングの結果がディスプレイ画面上に図形表示されるので被験者にとってはプログラムを修正しやすいために、被験者のもっている概念・技能の働きを動的に捉えることができること、である。 この(1)と(2)の問題群を用いて、被験者が問題を解決するときのプログラミングの過程に関する実験をおこない、いくつかのプログラミング言語についてデ-タを蒐集した。 まだ完全にはデ-タの分析が終わっていないが、手続きや関数における引数の理解と適用、繰返しの中での打ち切りの判断等に関して、熟達者と初心者との間で大きな違いがあるということ、初心者にとっては、熟達者がプログラミングの過程でほとんど無意識のうちに使用している同一変数間の代入でさえもなじみにくい概念であるということが明らかにった。 本研究は次年度に継続する予定である。今後はさらに綿密に実験デ-タを分析して、まず、プログラミング言語を初心者に学習させるための訓練システムを構成したい。
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