研究課題/領域番号 |
02610134
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
上林 靖子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 部長 (50132874)
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研究分担者 |
和田 香誉 埼玉県立衛生短期大学, 保育学科, 講師 (40201256)
北 道子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 室長 (60214780)
藤井 和子 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 室長 (00181305)
中田 洋二郎 国立精神, 神経センター・精神保健研究所・児童・思春期精神保健部, 室長 (20106214)
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キーワード | 注意欠陥障害 / 多動症候群 / DSMIIIーR / 診断 |
研究概要 |
多動や注意欠陥障害についての診断の基準となるような行動が、一般の子供たちの中でどの程度生じるものであるかを捉えることにより、この診断基準の明確化を検討することを目的とした。そこで、DSMIIIーRの診断基準である14のチェック項目(項目B)と、関連が深いと考えられる反抗、挑発性障害という診断基準の9項目(項目C)について、各行動の有無等についてのアンケ-ト調査を実施した。対象は小学校1年生から4年生の子供で、662名に調査票を郵送し、有効回答者(親)342名を得た。項目B、Cについて、各下位項目に該当する行動が「あり」と答えたものを1点とし、B、Cの合計得点を求めた。以下結果を列記する。1.項目Bおよび項目CのCronbachのαの係数は、それぞれ0.804、0.754であり、ともに高い信頼性(内的整合性)が認められた。2、(1)Bの合計得点の平均は、全体で2.97点・標準偏差3.12。(2)DSMIIIーRの診断基準である8点以上の子どもは32名で有効回答数(342名)の9.4%。3、(1)Cの合計得点の平均は、全体で1.89点・標準偏差2.03。(2)DSMIIIーRの診断基準である5点以上の子どもは40名で有効回答数(342名)の11.7%。4、項目BとCの合計点の相関係数はγ=0.558(P〈0.001)であり、項目Bと項目Cに関わる行動の間にかなり高い関連があることが示唆された。 臨床例の小学校1年生から4年生の子供の親と担当者にも同種のアンケ-トを実施した。次年度にはこれらの分析も加え、報告する予定である。また、社会学的観点より、臨床例を対象として、その家族環境についての調査と、主な養育者である母親の精神保健に関する調査を行う予定である。小児神経学的疾患をモデルしとた、行動特徴の比較もあわせて行う予定である。
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