研究課題/領域番号 |
02610156
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
藤木 久志 立教大学, 文学部, 教授 (60062585)
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研究分担者 |
小林 一岳 立教大学, 文学部, 講師
舘鼻 誠 立教大学, 文学部, 講師
蔵持 重裕 立教大学, 文学部, 講師
荒野 泰典 立教大学, 文学部, 教授 (50111571)
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キーワード | 庄屋 刀祢 肝煎 名主 / 農村 / 海村 / 山村 / 村方騒動 / 移行期の村 |
研究概要 |
[目的] この研究は、中世と近世の村を一貫して把握することをめざし、14〜17世紀の村を代表した、庄屋・刀祢・名主・肝煎に関する基礎史料を、(1)近畿・(2)北陸・(3)東北の3地域で、実地に調査することを目的として実施した。 [調査の経過] (1)近畿の庄屋史料については、その大半の整理・解読を終了し、「科学研究費補助金による研究成果報告書」に翻刻・解説を収めた。中世から近世へ一貫しているかにみえた、中世庄屋の地位が、戦国末の社会変動のなかで、激動にさらされている事実が、はじめて浮び上がってきた。本調査の成果の第1である。また、この地域の村文書の分析を通じて、村の成熟が、家の安定志向という形で、15世紀なかば以降、しだいに顕在化してくる事実を、初めて突き止め、論文「村の跡職」として発表し、この報告に転載した。本調査の成果の第2である。 (2)北陸の刀祢史料については、その分析を、村の実地調査と並行して実施し、その成果を「村の公事」および「村の指出」として発表し、「村の公事」をこの報告に転載した。村と領主の関係が四季の年中行事を媒介として、きわめて契約的であり、農民の労働が原則として有償であったことを明らかにできたのは、本調査の成果の第3である。なお、村の実地調査の成果の一端を「江良の習俗と石造物」としてこの報告に収めた。その結果、中世の村が、近世の初め頃に動いていることを突き止めた。本調査の成果の第4である。 (3)東北の肝煎史料については、その整理・目録作成と並行して、村の習俗の聞き取りを実施し、1〜4集にわたる聞き書きの報告書をまとめ、山村の生活の歴史と現実を明らかにした。本調査の成果の第5である。
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