上に掲げた研究課題は、研究代表者(安在邦夫)と研究分担者(福井淳)を中心に、三人の研究調査員を含め長期的計画のもとに調査・研究・分析を行なおうとするものであって、最終目標は『河野広中文書の研究』の刊行である。本年(1990年)度の課題として設定したのは、1書簡の整理と解読、2研究文献の学習3関係史料の博捜・関係史跡地の探訪の三点で、科学研究費補助金を付与されたことにより特に3の課題に力を入れ研究活動を行なった。以下、各項について若干の研究概要を記しておく。 1書簡の整理と解読 昨年度までにマイクロ化を終えていた書簡120点について、(1)CHの作成、(2)50音別・年次順の整理、(3)解読(80点)、(4)解読史料のワ-プロ化、を行なった。なお、下記「キ-ワ-ド」に記載した人名は解読した書簡発信者の一部である。 2研究文献の学習 別紙「購入物品明細書」記載の各図書について可能な限りの学習をした。特に『河野磐州伝 上・下』『河野広中 上・下』に関しては、書簡解読の文献として活用し、あわせて同文献の問題点などにも言及して精読・検討した。 3関係史料の博捜・関係史跡地の探訪 5月に安在、12月に横山真一(調査員)がそれぞれ高知自由民権記念館を訪れ、河野広中関係史料・関係史跡地の探索を行なった。また、11月には河野広中の生地福島県三春を調査員とともに訪れ、前三春民俗歴史資料館館長松本登氏の指導を仰ぎ合宿学習を行なうとともに、関係史跡のほかご子孫を訪ね聞き取りを行なった。
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