本研究では、現代日本語の名詞シソーラスを作成しながら、語彙の意味分類の多様性についての研究を行なう。 今年度も、研究補助者に依頼してシソーラスの中の語の意味のチェックを行なった。 シソーラスの中では、語は、互いの意味関係を通して相互に結び付いている。その結び付きが、システム全体として整合性を保つようになっていないと、シソーラスの構造がつかめず、研究の目的である「語彙の意味分類」にまで進むことはできない。そこで、シソーラス中の語の意味関係が正しくついてるかどうかということは、たえずチェックしていかなければならない大問題なのである。 現在までに、シソーラスを通して現代日本語の名詞の意味分類ができあがりつつあるが、こうして似た意味の単語をまとめてみると、全体が不整号になる現象が発生する。そこで、ある単語のグループを取り出して、そのグループが確かにグループになっているかどうかを検討することにした。今年度は、約400グループ(6000語程度)について検討が終わった。 シソーラスに関するさまざまな処理はパソコンを用いて行なっているが、今年度も関連プログラムなどの整備を進めた。主に努力をそそいだのは、検索プログラムである。このプログラムの完成によって、パソコン上でわかりやすい形でシソーラスが検索でき、またそれを利用してシソーラスのチェックができるというような態勢ができあがった。 また、シソーラス全体を圧縮してフロッピーに格納するコマンド、およびフロッピーからハードディスクに圧縮を解除しながら格納するコマンドも作成した。 以上の結果、シソーラスをフロッピー版で公開する用意が整った。 今年度が最終年度であるため、3年間の研究成果をとりまとめて、報告書を作成した。
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