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1991 年度 実績報告書

言語表現の意味の揺れの記述に基づく言語学意味論の認知科学的位置づけのための研究

研究課題

研究課題/領域番号 02610225
研究機関九州大学

研究代表者

竹内 義晴  九州大学, 言語文化部, 助教授 (10163388)

キーワード言語学意味論 / 言語表現の意味の揺れ / あいまいさ / 認知意味論 / テキスト・デ-タベ-スを用いた言語記述 / 言語理解 / 言語固有の意味 / 言語と知識
研究概要

本年度行った研究の一つの大きなポイントは、主に、昨年度に収集・分析した、ドイツ語の形容詞「empfindlich」の意味の揺れについて、考察をまとめることにあった。多面的な考察の結果、次の二つの考察がまとめられ、それぞれ学会において発表された。
(1)言語表現の意味には、その複雑かつ多様な意味の揺れにもかかわらず、意味の核心部分が存在し、その核心部分は、ある抽象的な形式性をもっている。この意味の核心部分の形式は、人間の一般的な知識のシステムとのインタ-ラクションによって、談話のにおける話題の流れや人間の知識構造の制約などの複雑な要因の影響を受け、実際の言語使用における意味の揺れを生じさせるのである。
(2)言語表現の表層的な統語関係からは、意味の多様な揺れという、言語理解の実際を説明するための充分な情報は得られない。例えば、私が取り上げた形容詞「empfindlich」の意味上の主部が何であるかということを決定することについてすら、統語情報は、必ずしも満足な情報を与えてはくれない。不足している情報は、人間の知識システムの働き、文脈情報、話題の推移についての予測、そして、常識の働きなどからあたえられるのである。
二番目のポイントとして、本年度は、重力に関る形容詞「schwer」、「leicht」にかかわり、テキスト・ダ-テ・ベ-スを用いた資料収集をおこない、その分析を進めているが、この作業は、次年度までもちこされる見通しである。
さらに、基礎理論面、及び、分析作業・手法についての考察をそれぞれとりまとめ、公刊済み、あるいは、公刊の準備をすすめている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 竹内 義晴: "テキスト・デ-タベ-スから採取した言語表現資料に基づいてリレ-ショナル・デ-タベ-ス・ソフトウェアを利用して言語記述作業を行うためのマニュアル的ノ-ト" 言語科学. 27. 36-55 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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