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1992 年度 研究成果報告書概要

言語表現の意味の揺れの記述に基づく言語学意味論の認知科学的位置づけのための研究

研究課題

研究課題/領域番号 02610225
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 独語・独文学
研究機関金沢大学 (1992)
九州大学 (1990-1991)

研究代表者

竹内 義晴  金沢大学, 文学部, 助教授 (10163388)

研究期間 (年度) 1990 – 1992
キーワード言語学意味論 / 言語と知識 / 言語固有の意味 / 多義性 / 認知言語学 / 意味論 / 言語理解 / 認知意味論
研究概要

本研究では,言語表現の使用例をテキスト・データベースから採取し,一つの言語表現であっても実際には様々な異なった意味合いで使われるという事実を,具体的に記述した。本研究の標題にある「意味の揺れ」とは,この実際の言語使用における言語表現の様々な意味合いの違いのことである。直接の記述の対象となったのは,言語表現「empfindlich」,そして対をなす言語表現「schwer」・「leicht」の使用例であり,いずれもドイツ語の形容詞である。
記述した「意味の揺れ」について,さらに分析を加えることによって,実際の「意味の揺れ」の多様さにもかかわらず,それぞれの言語表現には,抽象的な言語表現の意味の核心部分が抽出された。この言語表現の意味の核心部分こそが,言語表現の「自然言語固有の意味」である。この言語表現の意味の核心部分の構造は,人間の認知的な知識の構造とは別のものであり,非常に抽象的なレベルでの「関係」を表現している。
しかし,この抽象的な「関係」を表現する言語表現が実際に用いられると,言語表現は私たちの実際生活において有意味でありうる具体性を持って理解される。言語表現が,実際の言語使用において有意味でありうるのは,「自然言語固有の意味」が私たちの豊かで実際的な知識システムとインタラクトし,様々な「意味の揺れ」を持った具体的な理解に至るからである。また,そこに働く知識システムは,単に記号的・概念な性質のものではなく,より柔軟な性質のものではなくてはならないことが確認された。
本研究では,具体的なデータの分析・考察から以上の知見が得られたが,このことは逆に,言語学意味論の扱う領域としての「自然言語固有の意味」が,認知科学の領域全体のなかで,特有の位置づけがなされなくてはならないことを示している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 竹内 義晴: "自然言語の意味論の基本問題:世界についての知識と自然言語固有の意味との関係について" 言語科学. 26. 35-62 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 竹内 義晴: "テキスト・データベースから採取した言語表現資料に基づいてリレーショナル・データベース・ソフトウェア利用して言語記述作業を行なうためのマニュアル的ノート" 言語科学. 27. 36-55 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 竹内 義晴: "意味解釈に対する統語関係の未決定性と,意味理解・知識処理における言語表現の意味関係の役割について-テキスト・データベースによるドイツ語の形容詞「empfindlich」の記述から" ドイツ文学論集. 25. 78-81 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 竹内 義晴: "表現対象(モデル)の意味論からことばの意味論へ,言語と知識の平行理論に向けて" 西日本ドイツ文学. 4. 1-12 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 竹内 義晴: "自然言語における言語固有の意味の追求-テキスト・データベースによって検索したドイツ語の形容詞「empfindlich」の使用例についての意味の揺れの記述から" 金沢大学文学部論集,文学科篇. 13. (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] TAKEUCHI, Yoshiharu: "An Inquiry into the Fundamental Problem of Linguistic Semantics - What has Language-Meaning to do with our Knowledge about the World? -" Gengo-Kagaku. 26. 35-62 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TAKEUCHI, Yoshiharu: "Some Notes for the Language Description with a Relational Database Software about Language Materials Taken from a Text-Corpus" Gengo-Kagaku. 27. 36-55 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TAKEUCHI, Yoshiharu: "Syntactic Relations are not sufficient to determine the Interpretation of Language Expressions, and the Meaning Relations must play more Important Role at the Meaning Understanding and Knowledge Processing - from a Description of Meaning Variations of the German Adjective "empfindlich" in its Uses which are Taken from a Text-Corpus -" Doitsu Bungaku Ronshu. 25. 78-81 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TAKEUCHI, Yoshiharu: "From the Semantics of designated (of the Modell) to the Semantics of the Language - a Proposal to a Theory of Meaning in which stand the Language and Knowledge in a Parallel Relation." Nishinihon Doitsu Bungaku. 4. 1-12 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TAKEUCHI, Yoshiharu: "To Characterize the natural language specific Meaning - from a Description of Meaning Variations of the german adjective "empfindlich" in its uses which are taken from a Text-Corpus" Kanazawa Daigaku Bungakubu-Ronsyu, Bungakka-Hen. 13. (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1994-03-24  

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