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1991 年度 実績報告書

日本語と英語におけるコミュニケ-ションの違いとその英語教育への応用

研究課題

研究課題/領域番号 02610232
研究機関津田塾大学

研究代表者

田近 裕子  津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (80188268)

キーワード依頼・許可表現 / 貸し・借り表現 / 日英語比較 / borrow / lend
研究概要

平成3年度に新たに得られたことは主に次の2点である。第1は、日本人学生にとってアメリカ人ネイティブ・スピ-カ-のよく用いる許可表現(can I〜?)は定着しにくいこと。第2点は、物の貸借の場合、許可依頼表現の形態の選択は、貸借物の迷惑度より、対人関係の親疎に影響される傾向があるということである。
上の第1の点は、大学2年生70名を対象に行った調査から得た結果である。この被験者にまず事前テストとして英文のコンテクスト中に英文を補う試験を行い、10週後に、助動詞を用いた依頼・許可表現を教えた。この際アメリカ英語では物の貸借では許可表現が多いことも加えて教えた。その後3週経過して、事前テストと全く同じ試験を行ったところ、この事後テストでは助動詞を用いた依頼表現も許可表現も増加した。ただし許可表現よりも依頼表現の増加の方が著しかった。日本人学生にとって許可表現はあまり定着し易いものではないようである。
第2点はネイティブ・スピ-カ-に対して、貸借物の迷惑度と対人関係(親疎の度合い)により、依頼・許可表現の形態の選び方に変化があるかどうか調べた結果である。この調査はまだ少数のネイティブ・スピ-カ-の結果しか出ておらず結論的なことの言える段階ではないが、貸借物の迷惑度は表現形態にあまり影響を及ぼさないようである。しかし、親疎関係、すなわち親しい問柄では許可表現(Can I〜?)を用い、目上の人に対しては依頼表現(Could you〜?)を用いるといった、対人関係による表現形態の使い分けの傾向がいくらか見受けられた。ただし現在得られたネイティブ・スピ-カ-のデ-タは8件のみであり、少くとも20件集めたうえで正確な分析を行う予定である。
以上が平成3年度に得られたことのうちの主な2点である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tajika,H.,and H.Niki: "A study of second lauguage communication norms" JACET Bulletin. 22. 115-134 (1991)

  • [文献書誌] Tajika,Hiroko: "A note on the developmental stages of interlanguage" Tsuda Review. 36. 209-220 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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