[研究会]日本とドイツとに焦点をあてて裁判史研究の現状把握に努め、また裁判官や弁護士のあり方を比較史的に研究した。研究会は合計3回開催された。研究会への参加を広く呼びかけ、立命館大学・神戸大学・甲南大学から研究協力者の参加をえた。次年度は比較の対象をフランス・イギリスに広げ、またロ-マ法研究者の参加をもえるようにしたい。 [史料の撮影・解読・釈文作成]「丹後田辺藩裁判関係史料」(綾部市教育委員会所蔵)の解読をすすめ、336字詰原稿用紙120枚の釈文が作成された。また同史料を10000コマ撮影した。これによって同史料のほぼすべてを写真撮影することができた。次年度の科学研究費補助により、撮影されたものを焼付けるなどして、本貴重史料の保存に目途をつけるとともに、研究の用に広く供するための方途を講じたい。 [新史料の発見・撮影]研究をすすめるなかで、研究課題に関連して新史料を発見することができた。京都府総合資料館に寄託されている「谷口家文書」のなかの「田辺藩判関係史料」がそれである。従来知られていた綾部市教育委員会所蔵の史料は江戸後期に属しているのに対して、「谷口家文書」中の史料は江戸中期に属していて、新史料の発見によって研究対象の時問的空間が広がった。寄託者の許可をえて、新史料を2756コマ撮影し焼付けた。 [設備備品]研究テ-マに関連した内外の文献を購入した。
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