研究概要 |
(i)判別問題 Langevin 母集団に対する判別分析に於いて,各種判別関数の提示を行ない,その分布(漸近表示)を考察した。持に尤度比判別関数の分布表示による誤判別率の評価は数値実験の結果より考察している範囲に於いてはあまり良くないことが判明した。これを改良する方法を検計中である。漸近表示以外に低次積率を用いたピアリン系、ジョンソン系等による分布の当てはめを検討し,数値実験を行なっている。またantipodal分布,Bingham分布等の軸対称の分布の場合についての判別を検討中。 (ii)固有値,ベクトル,方向性を持つ母集団分布に於ける標本失分散行列の固有値,固有ベクトルの分布理論,仮説検定問題について考察した。これらを用いて母集団パラメ-タの信頼区間(領域)の導出と数値実験を行こなっている. (iii)等値性 Langerin母集団の多標本問題として,集中度係数の等値性について新しい検定統計量を提示し,その漸近分布表示を得た。また既存の統計量との比較について数値実験を行なっている。方向性についての等値性に関しても考察している。 (iv)回帰分析 Chengによる結果について数値実験による検討を行なっている.また標本数が大きい場合,母集団パラメ-タの大きい場合の漸近表示について検討している。 (v)双曲型分布 線形デ-タと方向性デ-タを含む多次元デ-タの分析では楕円型分布族では処理できない。この為双曲型分布族にもとづく分布理論の構築が必要であるが,この分野の研究は程んど見るべきものが無い。本年度は双曲型分布族の基本的性質と標本分布について研究を始めた.この為にはロ-レンツ変換に関して不変な多項式に関する理論を用いる必要があり,そのためには群の表現理論(特殊関数空間に於ける)が有用であることがわかった.
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